咽頭がんは運命のいたずら?つんく♂さん著書「だから、生きる」から学ぶ“過去を振り返る勇気”

どうも、カピ子です。最近は暖かくなり、そろそろお花見の時期ですね。
花粉症の私には、厳しい季節となりました。

今回は、昨年の9月に発刊された、つんく♂さんの著書 「だから、生きる」から、記事を書きたいと思います。

咽頭がん治療によって失った声

つんく♂さんといえば、シャ乱Qのボーカルとしてデビュー、その後、モーニング娘。及びハロープロジェクトのプロデューサーとしても活躍されたことは有名ですよね。

「ズルイ女」「シングルベット」など、よくテレビで流れてましたし、モーニング娘。は、小学校のとき誰もが好きでしたね。懐かしいです。

そんな歌手であり、音楽プロデューサーでもあるつんく♂さんですが、平成26年3月に咽頭がんであることを公表しました。

同年5月に完全寛解したことを発表しましたが、その後にがんが再発見されます。同年10月に手術を受け、声帯を摘出。
平成27年4月に母校である近畿大学の入学式に出席した際に自ら声帯を摘出したことを明かし、ニュースなどでも大きく取り上げられました。

つんく♂、声帯摘出で声失う 近畿大学『入学式』で手紙の祝辞 | ORICON STYLE つんく♂、声帯摘出で声失う 近畿大学『入学式』で手紙の祝辞 | ORICON STYLE

ここで咽頭がんとは、どんな病気なのでしょうか。

がんの出来た部位により、上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに区別されます。

主な原因は、喫煙飲酒でありますが、上咽頭がんはEB(エプスタイン・バー)というウイルス、下咽頭がんは、貧血が原因と言われています。
治療法は、放射線療法や化学療法ですが、がんが進行すれば、声帯や食道切除となることもあります。

参照リンク:咽頭がんとは・咽頭がんの基礎知識を解説!

病気の明らかな「原因」はない? 運命のいたずら?

歌手であるつんく♂さんにとって声を失うことは、想像を絶する苦しみだったと思います。

そのときのことを、このように書いています。

歌手である僕が、声を失う。
こんなこと、デビューした頃には、夢にも思わなかった。
病気になったことに明らかな「原因」はないだろう。
神様が投げた石が、たまたま僕にあたったというだけか・・・。
運命のいたずらとしか言いようがない・・・。

明らかな原因はない、運命のいたずら・・・。そのように自分に言い聞かせても、消えない思いがあると話しています。

それは、病気になる前の、シャ乱Qがブレイクしてめちゃくちゃ忙しくなった当時から結婚するまで、
約十年間続けていたとんでもなく不健康な生活が病気を引き寄せたんじゃないか、という自責の念だ。

不健康な生活とは、どんなものだったのでしょうか。

超夜型の不規則な生活、不健康な食事、酒、タバコ・・・。どんなハードな動きでも耐えられた腰が、ヘルニアになり、急な花粉症に悩まされたりと、身体はSOSを出していたにも関わらず、見逃していました。

そんな様々な自分の行いが咽頭がんという結果を生み出してしまったのです。

すべての報いは行いによるもの

仏教では、私たちの身に起こることのすべては、自分の行いによるものと説かれ、それを因果応報と教えられています。

もと仏教語。行為の善悪に応じて、その報いがあること。現在では悪いほうに用いられることが多い。

因果応報の意味 – 四字熟語辞典 – goo辞書 因果応報の意味 - 四字熟語辞典 - goo辞書

咽頭がんという悪報は、これまでの不健康な生活という自分の悪い行為によるものなのですね。

ところが悪い報いを受けると、「私は悪くない」「あの人のせいだ」と人のせいにしてしまうのが私たちであり、自分自身が過去、どんな行いをやってきたのかに目を向けようとしません。

受ける報いが悪いものであればあるほど、人や環境のせいにしたり、運命を呪ったりさえしてしまうでしょう。

過去の行いを振り返る勇気

つんく♂さんもがんに侵され、声を失うとわかった直後はとても自分の行いに原因があったとは思われていませんでした。原因はなく、運命のいたずらだと言い聞かせ、自分に目を向けられていませんでした。

人や環境やどうにもならない運命のせいにした方がラクであり、過去を振り返ることはとても恐く、勇気がいることなのですね。

しかしつんく♂さんは、咽頭がんの原因は自分にあったのだ、自分の責任である、と過去の自分の行いを振り返っています。

近畿大学の入学式の祝辞ではこのように言われていました。

私も声を失って歩き始めたばかりの1回生。皆さんと一緒です。

こんな私だから出来る事。こんな私にしか出来ない事。そんな事を考えながら生きていこうと思います。

つんく♂、声帯摘出で声失う 近畿大学『入学式』で手紙の祝辞 | ORICON STYLE つんく♂、声帯摘出で声失う 近畿大学『入学式』で手紙の祝辞 | ORICON STYLE

がんは自分に原因があったと受け止められたことで、声を失った自分に何ができるのか、声を失ったからこそできることはないかを前向きに考えられています。
悪報を人や環境、運命のせいにしていてはこんな前向きにはなれないでしょう。

悪報の原因を外に求めることは一見ラクなようですが、自分を正当化するために、いつまでも人や環境を恨み続け、運命を呪い続けなければならなくなります。その方がよほど自分を苦しめてしまいますね。

悪い結果を受けたときは、なぜそういう結果を受けたのかを考え、自分の行いを反省することが大事と知らされます。
それは同じ過ちを繰り返さないために、現状を変えて向上していくために必要なことですね。