成功のカギ「グリット」の意味とは?空前のベストセラーから学ぶ「やり抜く力」と“自利利他”の精神

東京ビッグサイトでの「国際ブックフェア」で一番惹かれた本、それが『グリット-やり抜く力』でした。

私の好きな出版社であるダイヤモンド社のコーナーで山積みになっており、一押しされていました。

著者はペンシルベニア大学心理学教授 アンジェラ・ダックワースさん。本の題名になっている「グリット(やり抜く力)」研究の第一人者です。

ダックワース教授は視聴回数が900万回を越えたTEDトーク「成功のカギは、やり抜く力」でも話題になりました。

成功のカギである「やり抜く力」は『情熱と『粘り強さ』の要素でできている、とダックワース教授は語っています。

この記事では「いかに情熱を持ち、やり抜く力を発揮していけるか」に主眼を置いて、空前のベストセラーといわれる本の内容を紹介します。

成功のカギは幸運?才能?努力?

あらゆる分野で成功を収めるにはどうすればいいのか?
誰しもが気になることでしょう。

ダックワース教授は「成功の心理学」の研究を始めたころに、業界でも屈指のビジネスパーソンやアーティスト、アスリート、ジャーナリスト、学者、医師、弁護士などを対象にインタビューを行いました。

業界でトップの人たちにはどんな特徴がありますか?

すると各分野で特有のものが見られました。

ビジネスパーソンの場合は「金銭的なリスクを積極的にとれること」、アーティストの場合は「創造する意欲」、アスリートたちは「勝利のスリル」を最高の刺激とする、など。

一方でどの分野にもあてはまる共通点が幸運と才能に恵まれること。
これは疑う余地がありませんね。

しかし成功の要因はほかにもあったのです。

インタビューで多くの人が語ったのは、ずば抜けた才能に恵まれながらも能力をじゅうぶんに発揮しないうちに挫折したり、興味をなくしたりして辞めてしまい、周囲を驚かせた話だった。

アンジェラ・ダックワース(2016).「第1章 『やり抜く力』の秘密」『やり抜く力』 ダイヤモンド社

才能に恵まれながらもやり抜く力が欠如していれば、大きな成功を収めることはできないのですね。

反対に才能に乏しくても、驚異的な粘り強さによって結果を出した人たちもいます。

このことからダックワース教授は以下のように考察しています。

第一に、このような模範となるような人は、並外れて粘り強く、努力家だった
第二に、自分が何を求めているのかをよく理解していた。決意だけでなく、方向性も定まっていた、ということだ。

このように、みごとに結果を出した人たちの特徴は「情熱」と「粘り強さ」をあわせ持っていることだった。つまり、グリット(やり抜く力)が強かったのだ。

アンジェラ・ダックワース(2016).「第1章 『やり抜く力』の秘密」『やり抜く力』 ダイヤモンド社

グリットの重要性を示す「達成の方程式」

グリット(やり抜く力)がいかに重要であるかを「達成の方程式」という理論から説明されています。

この理論はダックワース教授が研究を重ね、10年以上考え続けて出されたものです。

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「才能」は努力によってスキルが上達する速さのこと、
「達成」は習得したスキルを活用することで表れる成果のことです。

図からもわかるように、達成の方程式には「努力」が2つ入っています。
いくら才能に恵まれていても努力をしなければスキルは身に付きませんし、スキルが身に付いてもスキルを活用すべく努力をしないと成果は生み出されず、成功はできないのですね

さらにダックワース教授は教職の経験から、「呑みこみの悪い」生徒も時間をかけて十分な努力を重ねれば理解できる(スキルを習得できる)ことを強く知らされたと語っています。

ゆえに努力を続けるグリットが達成するために必要不可欠であるとわかります。

グリットの要素の1つ「情熱」を持つには?

ではグリットの要素の1つである「情熱」を持つにはどうすればいいのでしょうか?

情熱の源は『興味』とともに『目的』であると言及されています。

興味」は情熱の源だ。そして「目的」、すなわち人びとの幸福に貢献したいという意思も、やはり情熱の源だ

「やり抜く力」の強い人びとが持っている深い情熱は、「興味」と「目的」によって支えられている。

アンジェラ・ダックワース(2016).「第8章 『目的』を見出す」『やり抜く力』 ダイヤモンド社

興味は「自分にとって面白いから、自分のためにする」、目的は「他人のために貢献する」ということなので、矛盾しているようにも感じます。

しかしダックワース教授の同僚であるペンシルベニア大学ウォートン・スクール教授のアダム・グラント氏はこう語っています。

ほとんどの人は、自己中心的な動機利他的な動機は、ひとつのもの(動機)の両極端な姿であり、どちらか一方しかあり得ないと思っている。

しかし実際には、このふたつは完全に別々のものであることが、これまでの私の研究においても明らかになっている

つまり、どちらの動機もない場合もあれば、両方動機が存在する場合もある

アンジェラ・ダックワース(2016).「第8章 『目的』を見出す」『やり抜く力』 ダイヤモンド社

自己中心的な動機(=興味)と利他的な動機(=目的)は両方存在し得るのです。

というよりはむしろ、両方兼ね備えている人こそ各分野で成功している人であり、「興味」プラス「役に立ちたい」が大きな力を生む、と言われています。

自分のやっていることに「これはやっていて面白い」という興味と「他人の幸福に貢献したい」という意義を併せ持つことが大事なのですね。

グリットと通じる「自利利他」の仏教精神

アダム・グラント教授は「利他的な動機」という言葉を使われていましたが、「利他」というのは元々仏教用語である「自利利他(じりりた)」が由来です。

仏語。自らの悟りのために修行し努力することと、他の人の救済のために尽くすこと。

「自利利他」をもう少し噛み砕いていうと、「自利」は自分の利益、「利他」は他人の利益のことで、他人の幸福に貢献することで、自分にとっての喜びにつながる、ということですね。

グラント教授が「どちらの動機もない場合もあれば、両方動機が存在する場合もある」と語っている『興味』と『目的』の関係と同じように、利他は必ず自利につながり、利他がなければ自利もないのです

言い換えると、「ほかの人の役に立ちたい」という気持ちがあれば、自分のやっていることへの興味も深まります。反対に貢献感がなければ、やっていることに並々ならない興味は持てない、ということですね。

このことは、ダックワース教授が1万6000人のアメリカ人の成人に行った「やり抜く力」を調べるためのアンケート結果からも裏付けられています。

「やり抜く力」の強い人びとは、ふつうの人にくらべて、「意義のある生き方」「ほかの人びとの役に立つ生き方」をしたい、というモチベーションが著しく高い

さらに「目的」のスコアが高いほど、「やり抜く力」のスコアも高いことがわかった

アンジェラ・ダックワース(2016).「第8章 『目的』を見出す」『やり抜く力』 ダイヤモンド社

京セラやKDDIの創業者である稲盛和夫さんも「利他の心」を大変重視されています。

「自利と利他」とは、自分が利益を得たいと思ってとる行動や行為は、同時に他人、相手側の利益にもつながっていなければならないということです。

(中略)

常に相手にも利益が得られるように考えること、利他の心、思いやりの心を持って事業を行うことが必要です

しかしこのように利他が大事と言われても、私たちはついつい自分の利益を優先してしまいがちです。自分がいかにラクができるかばかりを考えてしまい、なかなか利他的な行動ができません。

そんな私たちに仏教は利他の心がけ、利他行の実践を繰り返し勧めています。
仏教に触れることでラクばかりを求めがちな考え方を反省し、心の向きを利他へと修正できるのです
「やり抜く力」の要素である情熱を持つのに、仏教の学びはうってつけですね。

成功のカギであるグリットを養うには利他心を持ち、自分のやってくることへの興味を深めること。ぜひ実行していきたいです。

 

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