仮面ライダーゴーストは”仏教”がテーマ?アメトークでも紹介された異質なライダーを解説!

こんにちは。仮面ライダー好きのライター、ハマです。皆さん、テレビ朝日深夜トーク番組の「アメトーク」はご存知でしょうか?

「ガンダム芸人」や「ジョジョ芸人」など特定のジャンルをとりあげ、それに詳しい芸人さんたちと爆笑のトークを繰り広げるという人気の番組です。そのアメトークで、ついに8月4日(木)「仮面ライダー芸人」が放映されます!

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(テレビ朝日「アメトーク」公式サイトより引用)

既にCMで放送されていますが、8月6日(土)から「劇場版仮面ライダーゴースト〜100の眼魂とゴースト運命の瞬間〜」が放映されます。主演の西銘 駿(にしめ しゅん)さんもアメトークに出演するとのことですから、劇場版の番宣も兼ねているのだと思われます。

「家電芸人」でお馴染みの俳優細川茂樹さんは「仮面ライダー響鬼」の主演でしたし、アンガールズ田中卓志さんは「仮面ライダーフォーゼ」に教師役で出演してました。劇場版にゲスト出演した芸人さんも多いことから、「仮面ライダー芸人」はいずれやるのでは!?とネット界隈では盛り上がっていましたが、ついに放送の運びとなったようです

現在放送中の「仮面ライダーゴースト」とはどんな仮面ライダー?

仮面ライダーと言えば、もちろん藤岡弘、さんの演じる改造人間”初代ライダー”です。しかし2000年放送を開始した「仮面ライダークウガ」以降のシリーズは”平成仮面ライダーシリーズ“と呼ばれ、大人向けの要素も含んだストーリー構成や、若手イケメン俳優の登竜門として大きな人気を呼んでいます。毎年、従来の仮面ライダー像に縛られないテーマ、デザイン、玩具のギミック、若手の役者からベテランの役者までを起用し、視聴者を楽しませております。

2015年10月から今現在2016年8月まで放送している現シリーズは「仮面ライダーゴースト」というタイトルで、放送開始前から話題を呼んでいました。
ゴースト?幽霊? どんなライダーかと思いきや……第1話放送を見ては思わず驚きました。

お寺が舞台で、お坊さんたちが座禅を組んでいる。主人公も修行中の身であるそして第1話で主人公が死ぬ

─────ここからストーリーを順に追っていくと多大な時間がかかってしまいますので、あらすじを簡単に説明させていただきます。

前述のとおり、主人公、天空寺タケル(西銘駿)は18歳の誕生日に謎の敵、眼魔(ガンマ)に殺害されてしまいます。死の世界にて仙人(竹中直人)から、自分の魂を眼魂(アイコンURL参照)に封じ込められ、その眼魂をを変身ベルトに装着することによって現界する”仮面ライダーゴースト“として復活します。

※変身ポーズも独特で、仮面ライダーごとに違う趣がありますので動画で見ていることをおすすめします。仮面ライダーゴーストは密教の印を結ぶような動きをしますね。

そして、自分が現世に復活するには、自分と同じように人間の魂を封じ込めた眼魂を、99日以内に15個集めることが必要と仙人から言い渡され、謎の敵、眼魔と眼魂(アイコン)の争奪戦を繰り広げることになるのです。

なかなか凝った設定とストーリーだと思いますが、舞台や設定に仏教を多く取り入れた特撮ヒーローというのは珍しいのではないでしょうか。

仮面ライダーゴーストにある多くの仏教要素

ロケ地はお寺

主人公、天空寺タケルは、大天空寺(だいてんくうじ)というお寺の息子です。

ロケ地は光厳寺という群馬県にある歴史の深い禅宗のお寺なのですが、(光厳寺というのも室町時代の光厳天皇の尊号が由緒となっています)そもそも、キャラクター達が常駐する本拠地がお寺というのは前代未聞です。達磨(だるま)大師の禅画が飾られていたり、題目や念仏が書かれた卒塔婆があったりと特定の宗派のみをイメージさせない工夫はが制作サイドによってされているようです。

眼魂のチョイス

人間の魂が封じ込められたガジェットが、”眼魂(アイコン)”として、劇中に登場しますが、これらは一部を除き、歴史上の偉人・英雄達の魂が封じ込められています。その偉人を尊敬していたり、近い精神状態にある人間たちが、偉人に縁のあるアイテムと近づくことにより眼魂が生成されるのですが、その眼魂を変身ベルトにセットすることにより、偉人の力を使うことができるようになります。同時に主人公は偉人に憧れる人々の心や苦しみと向き合うことになります。

第1話で宮本武蔵の眼魂をセットし見事な剣技を披露する仮面ライダーゴーストですが、後に「武蔵坊弁慶」や「玄奘三蔵」などお坊さんの眼魂も登場します。特番限定でしたが「一休禅師」の眼魂も登場しました。果たしてお坊さんたちの眼魂を装備してどのような戦闘を行うのか、皆さん気になりますよね(笑)。

ハイテンションなコメディ担当のお坊さん”山ノ内御成”

恐らくファンの多くは、このお坊さんを楽しみに仮面ライダーゴーストを視聴しているのではないでしょうか。柳喬之さん演じる「山ノ内御成(やまのうち おなり)」という、大天空寺の住職代理の若いお坊さんです。ちなみに”山ノ内”も”御成”も古都鎌倉の地名ですね。
一人称は「拙僧」で、語尾に「〜ですぞ」「〜なり」をつけるなど、やや古風な口調でハイテンションに話します。主人公の現世復活のためあちこちを奔走し、般若心経を唱えながら錫杖を振り回し敵地に突進する、相手を引き付けるために「魂のシャウト、聴かせてやるぜぇ!」と叫び大暴れする過激なパンクロッカーになる、アフロのカツラを被るなど……放送のたびにツイッターを賑わせる超個性的な熱血キャラクターです。
冷静になって考えてみると、日曜朝のヒーロー番組に仏僧がレギュラーで活躍し大人気になっていること自体、かなり特異なことなのではないでしょうか?(笑)


【柳喬之】仮面ライダーゴースト「御成」キャラヒットの理由?高学歴!意外な性格は? | ニュースチャンネル 【柳喬之】仮面ライダーゴースト「御成」キャラヒットの理由?高学歴!意外な性格は? | ニュースチャンネル

「生きることの素晴らしさ」を感じる仮面ライダー

チーフプロデューサーの高橋一浩氏は雑誌のインタビューにて「生きることの素晴らしさ」を感じる作品にしたい、と述べています。

自分の好きな平成ライダーシリーズは、どちらかと言うと「人生は苦しみと不条理にまみれていても希望を見出す価値がある……かもしれない」という暗い作品が多いのですが、前項で述べたとおり、 生き死にが関わる重いテーマを扱いながら、御成などのコメディタッチのキャラクターが多く活躍しています。劇場版でもたくさんの笑いが用意されていることでしょう。

ストーリーも終盤にさしかかり、敵である眼魔勢力の意図も明らかになってきました。ネタバレになるのでここでは多くは書きませんが、彼らなりの「苦しみ」に対するひとつの考えであり、解決策であるようです。

また、「本作品を少年と青年の中間にいる主人公の成長を描く物語」と高橋氏は述べており、様々な苦しみに直面しながらも主人公、天空寺タケルは一度死んだ立場から「それでも生きることは素晴らしいよ」と訴えているような、心の成長を遂げていきます。

仮面ライダーゴーストは変身するときに「開眼」という言葉を使います。ぜひ変身シーンをご覧ください。(1:40くらいからです)

「開眼」というのは以下の意味があります。

[名](スル)
1 よく見えなかった目が、よく見えるようになること。また、よく見えるようにすること。「開眼手術」
2 ⇒かいげん(開眼)
かい‐げん【開眼】
[名](スル)
1 新作の仏像・仏画を供養し、眼を点じて魂を迎え入れること。また、その儀式。「大仏開眼」「開眼供養」
2 真理を悟ること。特に、技術・芸能の道で真髄を悟り、極致を窮めること。
開眼(カイガン)とは – コトバンク 開眼(カイガン)とは - コトバンク

本作品で仏教用語が出てきても今更驚きませんが、仏像に魂を向かい入れること=偉人の眼魂を装備すること とも読めます。ただ「”真理”を悟り”明らか”になった物事が見えるようになること」に近いニュアンスもあるのではないでしょうか。

つまり「生きることは素晴らしい」ことを悟っていると捉えることができるのではないでしょうか。仮面ライダーV3の風見志郎を演じた宮内洋さんは「ヒーロー番組は教育番組である」を持論として述べていますが、奥が深い人間讃歌のように思えます。

仮面ライダー芸人の皆さんはこういったところに魅力を感じているのかもしれませんね。

それでは、アメトークの仮面ライダー芸人、及び「劇場版仮面ライダーゴースト」を楽しみに待ちましょう。実際に出演した芸人さん、主演の西銘駿さんのコメントも要チェックです!

見逃した人はDVDなどでチェックです!(笑)