毎日笑えてますか?ワンピースの“悪魔の実”から知る 一日一日が輝く「目的」の大切さ

漫画だけでなく、アニメも継続して続いているONE PIECE(ワンピース)。
1999年から放送が始まり、16年目の現在も多くの人が見ている人気作品です。

かくいう私もONE PIECEはアニメから入りました。小学生の時にアニメがスタートしたのですが、新番組の予告で初めて映像を見たとき、「腕が伸びるなんて!」と驚いたのを今でも覚えています。今では見慣れたものですが、当時の私にとっては少し怖さも感じる衝撃的な出会いでした笑
その時はこんなに長い付き合いになるとは想像もしていなかったわけですが。

そんなONE PIECEですが、みなさんは「悪魔の実」というものを知っていますか?

「悪魔の実」はONE PIECEのストーリーの中では欠かすことのできない重要なキーワードです。ONE PIECEは主人公ルフィがその「悪魔の実」を食べてしまったことから始まります。
「悪魔の実」とは、それを食べると不思議な能力を手に入れることができます。その代わり、カナヅチになり泳げなくなります。船乗りにとって泳げなくなるのは致命的でもあるのですが、それを差し引いてもあまりある魅力的な力を得られる「悪魔の実」も多くあります。

ルフィが食べた「悪魔の実」は「ゴムゴムの実」というもので、全身ゴム人間になり、身体のあらゆる部分を自由に伸び縮みさせることができるようになりました。もちろん、泳げなくもなってしまったのですが…。

そんな「悪魔の実」、作中には様々な種類の実が登場するのですが、自分だったらどの能力が欲しいだろうかと考えたことがある人も少なくないはずです。

ところで、この「悪魔の実」は果たして善いものでしょうか、悪いものでしょうか?

食べる人によって変わる「悪魔の実」の善悪

悪魔の実を食べることにより、致命的なカナズチになってしまうという欠点があるものの、特殊な能力を得ることで戦闘力は格段に上がります。そのため、多くの人々は悪魔の実を手に入れたいと願い、自分が望む実を血眼になって探す人も少なくありません。

そんな中、王下七武海の一人、ドンキホーテ・ドフラミンゴの治める国「ドレスローザ」の「コリーダコロシアム」という闘技場で行われる大会に「メラメラの実」(食べると全身が炎になり、火炎を操る事が出来る)が優勝賞品として出されることになりました。「メラメラの実」はかつてルフィの兄エースが食べ、所有していた能力。しかしエースは命を落とし、持ち主を失ったその能力は悪魔の実として再び世に出回ることとなりました。

「メラメラの実」は悪魔の実の最強種でもあるため、その能力は誰でも喉から手が出るほど欲しい代物。大会には多くの猛者たちが集まり、メラメラの実を我が物にしようと腕を鳴らします。

大会出場者たちが実を求める理由は人ぞれぞれです。

大会の主催者にして「悪のカリスマ」ドフラミンゴの仲間であるディアマンテは、メラメラの実を利用してルフィ達麦わらの一味を陥れようと画策します。

エースが死ぬそもそものきっかけを作ったティーチ率いる黒ひげ海賊団のジーザス・バージェスは、自らがその能力を得てより力をつけようと大会に出場していました。

ドフラミンゴに乗っ取られる以前、ドレスローザの国王として君臨していたリク王の孫娘であるレベッカは、国を取り返し、ドフラミンゴによって苦しめられている多くの人を救うため、強力な悪魔の実の能力を求めます。

そしてまたルフィも兄の形見ともいうべき「メラメラの実」をほかの誰にも渡したくないと大会に出場しますが、決勝前に緊急の事態が起き、大会に出場している場合ではなくなってしまいます。泣く泣く諦めようとしていたところへ現れたのは、エースと自分と兄弟盃を交わしたもう一人の兄、サボでした。兄弟であるエースの意思を継ぐのは自分だと、ルフィの代わりに決勝へ出場した彼は、見事メラメラの実を勝ち取り、その能力を手に入れたのでした。

ストーリーとしては読者の誰もが望んでいたであろう形で、非常に盛り上がりを見せた場面でもあるのですが、このメラメラの実をもし他のキャラクターが手に入れていたらどうなっていたでしょうか。

ディアマンテやバージェスに渡っていたらきっと悪事に利用されていたでしょうし、レベッカが手に入れていたら、逆に多くの人を救うという善いことのために力を使っていたことでしょう。けれども、やはりサボが手に入れてこそ、メラメラの実は一層よい方向に使われることになるのだと思います。

「悪魔の実」それ自体には善も悪もありません。しかし、その実を誰が、どんな理由で使うかによって善悪は分かれてしまうのです。

善悪は目的によって決められる

「どんな船でも、造り出す事に“善”も“悪”もねえもんだ」

これは麦わらの一味の船大工、フランキーの師匠であるトムが言ったセリフです。トムはかつて海賊王ゴールド・ロジャーの船を造りだしました。それが後々罪に問われることとなるのですが、一方でトムは「海列車」というものも造り、多くの人から称賛されています。

造り出したものが一方は悪だと言われ、一方は善だと言われる。船大工たちは多くの船を造りますが、造ったときには善いも悪いもなかったはずなのです。それを分けたものは一体何なのでしょうか?

例えば、ボールペンはそれで誰かをほめる言葉を書けば善になりますが、逆に誰かをけなす言葉を書けば悪になります。先ほどの船で言えば、一般的には海軍の船は善で海賊の船は悪だとされています。ペンも船も、それ自体は善でも悪でもありません。それを使う「目的」が善悪を分けているのです。

すべてのものは総じて、それを使う目的によってよくも悪くもなってしまうということが言えます。

「目的」に向かってこそ最高の笑顔で輝ける人生が送れる

そして、目的によって良くも悪くもなるのは人生も同じです。

人生における時間というのは限られたもの。この時間を一体どのように使うのか、ということは非常に大事な問題です。

ONE PIECEの中で、ルフィ達麦わらの一味の笑顔というのはとても印象的です。心から楽しそうにしているのが伝わってくる表情です。その笑顔について、作中でウソップがこのように言っています。

「毎日命はって生きてるから、あいつらは本当に楽しそうに笑うんだ」

まず、どんなことをするにも目的は大事です。しかし、目的さえあればいいというわけではありません。ルフィ達は海賊王になるという大きな目的に向かって進んでいます。目的が大きいから、それだけ命をはって一生懸命進むのです。一生懸命だから、嬉しいことがあったとき、心から笑えるのです。

部活動でもそうですが、目的があってやっている人と、目的なく何となくでやっている人とでは大違いです。普段の練習にしても、大会で優勝するという大きな目的をもっている人は、本気で取り組みます。本気でやっているから、試合で勝った時も本気で喜べます。
逆に、何か部活に入らなきゃいけないからとりあえずやっているという人は普段の練習に力が入るわけもありません。たとえたまたま試合で勝てるようなことがあっても、大して喜べないのではないでしょうか。

人生を一生懸命生きて、本気で笑い、本気で泣くことができるかは、ひとえに達成するべき目的があるかどうかによるのです。

人生という航海で向かうべき先は?

今、私たちは人生という名の海を航海している最中です。

あなたの船にはちゃんと向かう先がありますか?
海では小さい波、大きい波、いろいろやってきます。時には嵐さえも。その嵐を乗り越える力が、あなたの船にはあるでしょうか?

毎日に張り合いはありますか?
毎日、心から笑えてますか?

毎日の積み重ねが「人生」です。ため息ばかりの毎日で、人生が輝きを放つことはありません。人生における目的を知って、そこに向かって生きてこそ、一日一日が光り輝くはずです。

その人生の目的について教えられているのが仏教です。心から楽しいと喜べる毎日にするためにも、仏教を学んで一番大事な目的をまず知っていただきたいと思います。

まとめ

目的を知ればどんな困難も必ず乗り越えられます!
「何気ない、いつもと同じ1日」は「かけがえのない1日」に大きく変わることでしょう。

目的をはっきりさせることが人生を輝かせる第一歩。人生の時間の使い道をまず考えていきたいと思います。