仏教を学ぶ有名人:仏教徒スティーブ・ジョブズが語る無常観とは

スティーブ・ジョブズ。この名前を知らない人はいないと思います。Appleの創業者であり、iPhoneやMacなど今や誰もがもつものを創りだした超有名人です。残念ながらもう亡くなられましたが、世の中に多大なる影響を与えた人でした。

そんなスティーブ・ジョブズですが、実は仏教徒であったことはご存知だったでしょうか。ただ学んでいたというレベルではなく、改宗するほど、仏教に傾倒している人でした。

今回はそんなスティーブ・ジョブズについて、紹介したいと思います。仏教徒になるきっかけ、Apple製品や有名なスピーチにある仏教思想について解説します。

仏教徒になるきっかけ

ジョブズが大学生だった1960〜1970年台のアメリカにはスピリチュアルブームが到来していました。ヒッピーという既存のルールに縛られない自由な生き方を求める人が増えました。髪を伸ばし、ヒゲもボーボーで、汚れたシャツとジーパンで闊歩する人たちというとイメージがつくかもしれません。

彼らはインドへの強いあこがれがありました。自国にはない新しい考えに触れたいという気持ちがあったのでしょう。ヒンズー教を学んだアメリカ人が有名になったりもあり、インドに行きたい若者が多くあったそうです。ジョブズもそれに漏れない人でした。

そしてAppleを創立する前にインドへ赴きました。仏教を学びに行ったわけではないでしょうが、何か新しいものを求めての旅だったと思います。この時にたまたま寺に行き、仏教徒に改宗するのでした。形だけの改宗なので、この時どこまで本気だったかは分かりません。

しかし、コロンビア大学チベット仏教学教授ロバート・サーマンいわく

スティーブ・ジョブズを仏教徒だとはいえない。しかし、彼は、東洋の精神鍛練と禅ビジョンを仰ぎ望む人間と同じくらい、独創的な人間である

といっているようにその後仏教が彼に大きく影響を与えたことは過言ではありません。

そして帰国し、Appleを創業。パーソナルコンピュータの基礎をつくった人間となりましたが、仲間内でのトラブルから自らつくった会社から追放されます。その後も新しい会社をつくりますが、苦悩は続きます。

曹洞宗の僧侶である乙川弘文氏を師事し、仏教を改めて学ぶようになりました。彼から禅について学び、精神的に救われたと言われます。

成功者となりお金に困らなくなった時でも質素な生活をしていたのも、Apple製品に見られる徹底したシンプルさも、仏教思想の影響があったと言えます。公言されているわけではありませんが、彼の言葉からもそれは分かります。

卒業式のメッセージに見る無常

iPhoneを初めて紹介したWWDCの発表など、スティーブ・ジョブズには有名なスピーチがいくつもありますが、中でも特に有名なものにスタンフォード大学のスピーチがあります。

どれも印象に残る話ですが、中でも気になるのは3番目の話「死に関する話」です。

自分が死と隣り合わせにあることを忘れずに思うこと。これは私がこれまで人生を左右する重大な選択を迫られた時には常に、決断を下す最も大きな手掛かりとなってくれました。何故なら、ありとあらゆる物事はほとんど全て…外部からの期待の全て、己のプライドの全て、屈辱や挫折に対する恐怖の全て…こういったものは我々が死んだ瞬間に全て、きれいサッパリ消え去っていく以外ないものだからです。そして後に残されるのは本当に大事なことだけ。自分もいつかは死ぬ。
Stay hungry, stay foolish. [和訳] スティーブ・ジョブズ スタンフォード大学卒業式でのスピーチ – stayfoolish Stay hungry, stay foolish. [和訳] スティーブ・ジョブズ スタンフォード大学卒業式でのスピーチ - stayfoolish

これは仏教で教えられる無常観です。

無常観とは、無常をありのままに見つめることをいいます。無常とは諸行無常とも言われ、すべてのものが続かないという仏教の教えです。自分の身の回りにある人や物もすべては変わります。しかし究極の無常は自分自身が死ぬことです。しかも「もしかしたら死ぬ」ではなく、「100%死ぬ」のです。そしてそれをありのままに見つめることを無常”観”と言います。

すい臓がんになって死に直面したジョブズは言います。

でも、あれを経験した今だから前より多少は確信を持って君たちに言えることなんだが、誰も死にたい人なんていないんだよね。天国に行きたいと願う人ですら、まさかそこに行くために死にたいとは思わない。にも関わらず死は我々みんなが共有する終着点なんだ。かつてそこから逃れられた人は誰一人としていない。
Stay hungry, stay foolish. [和訳] スティーブ・ジョブズ スタンフォード大学卒業式でのスピーチ – stayfoolish Stay hungry, stay foolish. [和訳] スティーブ・ジョブズ スタンフォード大学卒業式でのスピーチ - stayfoolish

普通死に関する話は憚られますが、ジョブズは堂々と無常を語りました。これはジョブズ自身の経験と仏教思想により、形成されていった言葉と思います。だからこそこれだけの人に感銘を与えられたのだと思います。

まとめ

破天荒な性格ゆえ成功したジョブズ。その一方でそれゆえに人間関係には絶えず悩まされていたことも語られています。そんな彼の精神的な拠り所になっていたのが仏教でした。

彼の生き様や言葉にもその思想は込められていますし、彼が残したApple製品にも仏教思想が溶け込んでいると考えると感慨深いものがあります。

彼が惹かれた仏教について、詳しく学んでいっていきたいと思います。

参考

仏教の教えに導かれたスティーブ・ジョブズ、2015年に建つ新社屋に込めた思いとは? – ハピズム 仏教の教えに導かれたスティーブ・ジョブズ、2015年に建つ新社屋に込めた思いとは? - ハピズム
Stay hungry, stay foolish. [和訳] スティーブ・ジョブズ スタンフォード大学卒業式でのスピーチ – stayfoolish Stay hungry, stay foolish. [和訳] スティーブ・ジョブズ スタンフォード大学卒業式でのスピーチ - stayfoolish

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    ゆげ

    渋谷のネット企業で働く20代のマーケター。ゲームとマンガ三昧の堕落生活の反動で、哲学が好きに。柴犬をこよなく愛する犬アレルギー持ち。アカデミーの理事長です。
    coconalaで仏教カウンセリングしています