こんにちは。音楽大好きなリョウです。
幼少時代から、車で移動する際はいつも音楽がかかっていたため、いろいろな曲に触れてきました。
昔はメロディーで曲を判断していましたが、大人になって、ようやく歌詞に目を向けるようになりました笑 共感できる歌詞があると好きになりますよね。
最近、よく聴いているのが「back number」です。
2011年にメジャーデビューを果たした3人組ロックバンドのback number。昨年12月にリリースした5thアルバム「シャンデリア」がオリコンウィークリーランキングで2週連続の1位を獲得!乗りに乗っています。
きれいなメロディーとストレートな歌詞に圧倒され、毎日のように聴いています。
「ネタンデルタール人」ってなんだ?
さて今回は、back numberの「ネタンデルタール人」という曲から学んでみたいと思います。タイトルがとても印象的ですよね。
歌詞の一部を紹介します。
なんでいつもあいつばっかみんなに 褒められんだ?頭来んなぁ。
持って生まれてきたものに 差を感じる 不公平だ
輝く姿にため息が出ちゃう その声を聴けばほら舌打ちが出ちゃう
嫉妬は1ミリもしてないけれど イライラモヤモヤが止められないよ
なんであいつと同じに歌えないんだよ
僕も天才ってチヤホヤされたいのに
やる事成す事全部斬新!すごいね!って
言われたいのに 言われたいのに
自分より優れている人、輝いている人を見ると、ねたましく思うことありませんか? 私はよくあります苦笑 具体的な歌詞に共感し、一気に心をつかまれました。
アップテンポな曲ですが、途中、曲調が静かになって、今後の決意が述べられています。
本当はわかっているのさ あいつの方が重ねている
やるべき事をひたすら 一枚ずつ 一枚ずつ
ねぇ僕は本気を出しきれてないだけだよ
なるべく油断しながらうかうか待っててよ
大器は晩成なんだよって ジュラ紀から決まってるんだよ
さぁ晩成を始めよう
僕は僕の歌しか歌えないよ だから僕を磨いていくしかないだろう
やる事全部全部やって してないって顔してやろう そしたらもう
妬んでるだけの 時間を終わりにしよう
仏教の視点から「ネタンデルタール人」を考察
仏教では、人間は煩悩でできている、と教えられています。すべての人が108の煩悩を持っていると説かれており、その煩悩のために私たちは日々、苦しみ、悩んでいます。除夜の鐘が108回突かれるのは、この煩悩の数からだそうです。
108の煩悩の中でも、特に私たちを苦しめ、悩ませる煩悩を三毒(さんどく)と教えられます。
三毒とは、仏教において克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩、すなわち貪・瞋・癡(とん・じん・ち)を指し、煩悩を毒に例えたものである。
三毒といわれる三つの煩悩とは貪・瞋・癡のことでそれぞれ
- 貪は貪欲(とんよく)-ほしい、という欲
- 瞋は瞋恚(しんに)-カッとなる怒り
- 癡は愚痴
を指します。
今回紹介した「ネタンデルタール人」は、三毒の中の“愚痴”について歌われているのです。
悪口のことじゃない? 愚痴の本当の意味
愚痴と聞くと「上司への愚痴」「仕事の愚痴」など悪口や不平不満という意味で使われていますが、仏教でいわれる愚痴は意味が異なります。
愚痴の「愚」は愚か、「痴」も知恵が病気で入院しているという字ですからバカということです。おろかでバカな心のことを愚痴といわれるのです。
では「おろかでバカな心」とはどんな心なのでしょうか?
それは他人の幸せをねたんだり、他人のことを恨んだりする心です。
他人が幸せなのは、その人が幸せになるための努力を重ねた結果ですよね。一見努力せずに成功したように見える人でも、その影には必ず努力があります。
しかしそんな当たり前のことがわからずに幸せそうな人や成功した人を恨んだり、ねたんだりするので、恨み・ねたみの心をおろかでバカな心(愚痴)といわれるのです。
知人から「友人が東大に合格したり、素敵な恋人ができたと聞くと、『よかったね』と顔で笑っても、素直に喜べない心に悩みました」と聞いたことがありますが、心から人の努力を認めることの邪魔をする、この醜い愚痴に苦しまない人はないでしょう。
こんな愚痴の心に悩まされないためには、どうすればいいのでしょうか?
愚痴の心とどう向き合えばいいか
仏教では、私の身に起こる結果の全ては私の行為が生み出したものであると教えられます。これを「自業自得」といわれます。
自業自得という言葉、どんな場面で使われているでしょうか?
毎日カップラーメンばかり食べている人が病気になったと聞けば「それは暴飲暴食していたアイツの自業自得だよ」などと使ったりしますね。
このように、悪い結果が起きた時にだけ使われているようですが、仏教本来の意味は、悪い結果だけでなく善い結果も、私の受ける果報はすべて自業自得である、と教えられています。先に触れたように、輝いている人、天才!と言われている人はそれ相応の努力をしているのです。
本当はわかっているのさ あいつの方が重ねている
やるべき事をひたすら 一枚ずつ 一枚ずつ
と歌われている通りですね。
自分より幸せそうな人を見ると、その人の幸せな結果にだけついつい目がいき、自業自得の真理を忘れ、恨みや妬みの心を起こしてしまう私たちですが、幸せな結果を受けた原因に目を向けていくことが大切だと知らされます。
僕は僕の歌しか歌えないよ だから僕を磨いていくしかないだろう
妬んでるだけの 時間を終わりにしよう
「ネタンデルタール人」で歌われているように、妬んでるだけの時間を終わりにして、自分の言動と向き合い、前向きに行動を変えていかなければなりません。
back numberのボーカル・清水依与吏さんが「ネタンデルタール人」についてこう話されていました。
ネタンデルタール人も本当は分かっているんです。「結局自分が未熟なだけだし、相手も努力している。だからそういう気持ちは終わりにしなきゃいけないんだ。進化して別の、ひとつ上の次元の人間にならなきゃいけない」って。
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どんな人の中にも「ネタンデルタール人」はいます。しかし清水さんの言われるように、妬む気持ちを終わりにし、自分の中の「ネタンデルタール人」をひとつ上の次元に進化させていきたいですね。