こんにちは、音楽大好きなRyoです。
今回は、映画「植物図鑑」の主題歌『やさしさで溢れるように』を通して、仏教で説かれる「恩」についてお話しします。
『やさしさで溢れるように』ってどんな曲?
2009年にJUJUがリリースした名曲です。
日本を代表する名プロデューサー亀田誠治が手掛けたこともあり、すーっと心に入ってくるきれいな楽曲となっています。
JUJUの中でもおススメNo.1ですね。ぜひ、一度聴いてみて下さい!
卒論を書きながら、休憩時間に何度もこの曲を再生し、感動していたことが思い出されます。
『やさしさで溢れるように』は7年前にリリースされた曲ですが、今もまた注目を集めています。
それは、6月1日に女性6人組ダンス&ボーカルユニットFlowerによるカバー曲が発売されたからです。
FlowerはEXILEの妹分として活躍するE-girlsの中の1グループ。
ボーカル部門、ダンスパフォーマンス部門合わせて約3万人が参加したオーディションに合格したメンバーもいて、その歌声、パフォーマンスは圧巻です。
Flowerの『やさしさで溢れるように』はこちら↓
この映像を見ると分かりますが、大ヒット上映中の映画「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」の主題歌となっているんです!
この映画は、人気作家有川浩のミリオンセラー恋愛小説「植物図鑑」の実写版。
都会で出会った男女が、道草をしながらお互いへの思いを育んでいく純粋なラブストーリーです。
EXILE、三台目J Soul Brothersのパフォーマーを兼任する岩田剛典と、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でもおなじみの高畑充希がW主演をつとめていることでも話題となっていますね。
歌詞に迫る!キーワードは「当たり前」?
歌詞も素敵な『やさしさで溢れるように』。
私は特に、以下の二つのフレーズが好きです。
目が覚めればいつも 変わらない景色の中にいて
大切なことさえ 見えなくなってしまうよ
当たり前の事は いつでも忘れ去られがちで
息継ぎも忘れて 時間だけを食べてゆく
いつも変わらない景色の中にいると、それが当たり前になってしまう。
でも、そんなありふれた日常の中にこそ、大切なことがあるんだよ。
そんなメッセージを感じます。
この「当たり前の事は いつでも忘れ去られがち」という歌詞を聞いて思い出すのが、「恩」という言葉です。
「どうして“恩”につながるの??」と思われるでしょう。
「恩」の成り立ちを知れば、分かります。
「恩」という言葉の成り立ち、あなたは知っていますか?
「恩」の成り立ちとは?
「恩」という字は、よく見ると(いえ、よく見なくても明らかですが)、「因」と「心」が組み合わさってできています。
だから「恩」とは、「原因を知る心」のことです。
今の自分があるのはどうしてだろうか?
どのような原因があったんだろうか?
その原因を知ることで、「今の自分があるのは、あの人のおかげなんだ」と“恩”が感じ取られるのです。
もっと具体的に考えてみましょう。
人として生まれ、生きているのは一つの結果ですが、その原因は何でしょうか?
それは紛れもなく、両親が生んで育ててくれたお陰と知らされます。
また、学校の先生や友達、会社の上司・同僚の支えがあってのことだと感じます。
私は学生時代、外科矯正の手術を受けましたが、主治医の先生のお陰で今の私があると感謝しています。
このように、今の私があるのはさまざまな人やものに支えられてのことなんですね。
仏教ではこの「恩」を知り、感謝をすることが、とても重んじられます。
恩を知らない人は、畜生(動物)よりも劣っていると言われるほどです。
恩を知らざるものは畜生よりも甚だし(大智度論)
仏教を学んでいる人にとって、一番言われたくない言葉、言われてはいけない言葉があります。
役立たず、足手まとい、甲斐性なし!
と言われても恥ずかしいですが、もっと恥ずかしい言葉があります。
それは「恩知らず」です。
恩が重んじられる仏教を学ぶ者にとって、「恩知らず」とだけは言われてはならない。
恩を忘れ、感謝を忘れて「恩知らず」と言われることが、仏教者にとって最大の恥辱なのです。
「○○してもらって当たり前」と思いがち
仏教者に限らず、「恩」を知り、感謝を伝えることは生きていく上で大事です。
「恩」を感じ、感謝を伝えている人はとても信用され、みんなから好かれますし、反対に、何でも「当たり前」と受け流す人は信用を失い、周りから嫌われるからです。
ところが、自分のことで頭が一杯の私たちは、その恩を忘れ、「○○してもらって当たり前」と思いがちなのです。
大学生の時は、親が仕送りを送ってくれて当たり前、
上司は部下の面倒を見るのが当たり前、
夫が仕事をして稼ぐいでくるのは当たり前、
妻が家事をするのは当たり前、
といった具合です…。
「当たり前の事は いつでも忘れ去られがち」という歌詞の通りですね。まさに恩を忘れてしまうのが私たちなのです。
その「○○してくれて当たり前」という心を改めて、「今の私があるのは決して当たり前ではないんだな」と思えば、感謝の気持ちが生まれ、世界が輝いて見えてきます。
「恩知らず」が最も恥ずかしい、ということは、反対に恩を知り、恩を感じ、恩に報いる気持ちが強い人ほど、素晴らしい人である、と仏教で教えられています。
雨に打たれても 風に吹かれても
寒さを感じない 今は
ぬくもりはいつも この胸の中に
決して失くさないよ ありがとう
『やさしさで溢れるように』で歌われているように、感謝の気持ちを「ありがとう」と伝えることも恩に報いることになりますね。
実践していけたらと思います。