こんにちは。名前の響きだけで中学校まで本気で総理大臣になろうとしていたみさきちです。
今日はちいかわの黒い流れ星の回から、して「夢」について考えていきたいと思います。
夢を叶えてくれる黒い流れ星、コイツの目的は何だったのでしょうか。
まずは内容をおさらいしていきましょう!
ちいかわを困惑させる黒い星の「悪行」をおさらい!
寝起き早々青ざめるちいかわ、目覚まし時計が壊れ、寝坊してしまったようです。
ハチワレと一緒に新たな目覚まし時計を購入しましたが、これがループの悲劇の始まりになるとは、まだ気づいていません。
ほのぼのとした、いつもの変わりない日常、繰り返される変わりない出来事、ちいかわにはデジャブのように身に覚えのある体験が次々と起こります。
はじめは予知能力を得たと喜んでいた、ちいかわでしたが、2回目のループで謎の黒い星に出くわしました。
怖がるちいかわと対照的に、陽気に時計の針の上に座っている正体不明の黒い星。
長い針が12を差すと、黒い星が時計の針を反対に回しました。
すると…
また以前と同じ朝がやって来てしまいました。
混乱するちいかわに、「Happy?」とたずねてくる黒い星ですが、ちいかわの表情からはとても、幸せな様子はうかがえません。
何故か英語、それもネイティブ風ということに加え、この押し付けがましさ、とてつもなく怪しいです。
「こんな日が…ずーっとつづくといいよね…」
以前ハチワレとちいかわが夜空に願った会話を聞いていたようです。
黒い星は、「フューチャー…オー…ノー…」と訳の分からないことを言っています。
これはどうやら、未来に待ち受けている辛いことのようです。そして、それを避け、今の楽しい日々をループさせるのが「Happy!!!」であると黒い星は言います。
願いを叶えたと言い張り、したり顔を浮かべる黒い星、その腹の奥底まで真っ黒に染まっているのが透けて見えそうです。
また、黒い星は「Lucky」とちいかわに言っています。願いを叶える自分に会えてラッキーだったねと言わんばかり。その行動はサイコパスじみており、ここまでくるともう、怖いです。
この後ハチワレやうさぎも一緒に、ループを止めるべく試行錯誤しましたが、3度目のループは止められませんでした。
ちいかわが嫌がっていることは完全に無視して、ループさせているので、確信犯とも言えるのではないでしょうか…。
あたかも正当であるように見せかけて嫌がらせを続ける、陰湿で無惨なやり方です。
この黒い星、なんなんでしょうか…。
本編ではこのあとオキシ漬けされ、黒い星は退散します。
ここまで読んでいただければ、「黒い星はなんて悪いやつなんだ!」「ちいかわ可哀想…」「オキシクリーン買ってきた」と思われるかもしれません。
しかし本当にそうでしょうか?
ここで偏見を置いて、見てみると…
実はこの話こにでは「夢の本質」が描かれているのです!
黒い星が照らし出す「夢の本質」とは…?
皆さんはどんな夢を持っているでしょうか。
私が最近まで夢見ていたことは、ちいかわの「超・まじかるちいかわ」のグッズを手に入れることでした。
※筆者撮影
見ていただけると分かるように、この美少女戦士チックな衣装といい、キラキラおめめといい…プリプリプリティーちゃんなのですよ!
実はこれ第1弾もあったのですが、そのときはグッズ争奪戦に敗北し、購入出来ず…。ネット上で高額転売されているのを指をくわえて見ていることしかできず、非常に悔しい思いをしました。
今回のグッズ、販売当初は、私の家の近くだと梅田のキデイランドにしか売っておらず、お店に入るにも入場整理券が必要でした。入場整理券をゲットするにも、抽選で手に入れる必要があり、高い倍率を勝ち取る必要があったのです。
私は有難いことに、入場整理券をゲットし、欲しかったグッズを手にする夢を叶えることが出来ました!
しかし、その先に待っていたのは思っていた世界ではありませんでした……。
「超・まじかるちいかわ」のグッズは、手に入れた瞬間、お金を払って持って帰るところまでは、幸せの絶頂でした。手にしたときの達成感はすごいものがありました。
「よし、まじかるたちを家にお出迎えじゃ〜!!」
しかし、そのときがピークだったのです。そして、モノへの関心は徐々にうすれていきました。
袋に入れてから、この喜びはうすれていったのです。
袋の中に入れた事実で満足して、中に入っているグッズの中身の価値は、なくなっていった感じです。
家に着き、購入した袋を机の上に置くと、そこから再び開封することなく数日がたっていました…。
もちろん、その後グッズ収納の中に片付けましたが、以来出していません。
思い返してみると同じように、手に入れたときは幸せでも、今ではタンスの肥やしと変わり果てているちいかわグッズたちがちらほら…
そんなことはわかりきっていながらも、それでも新しいグッズが出たら必ずゲットしに行ってしまうのがファンの性なのです…。
モノだけではありません。例えば、バイトで頑張って時給アップしたとき、その時はとても嬉しいし、もっと頑張ろうという気持ちが起こりますが、しばらくすると、上がった時給が当たり前になってしまいます。大学でも、大学合格時が喜びのピークで、入学後は徐々に気持ちはうすれ、校舎の汚さを指摘しだすこともあります。
庶民の私でもそうですが、もっと大きな夢を叶えた人でも同じようなことが起こっているようです。アスリートなどでよく聞かれる燃え尽き症候群などが最たる例でしょう。むしろ夢が大きければ大きいほど、その反動は大きいのかもしれません。
シンガーソングライターの藤井風さんも、オリコン週間デジタルシングルランキング 2位も獲得したヒット曲である、「grace」をリリースした後、「ちょっと燃え尽きたような感覚になってしまった」「曲を作る必要性も感じなかった」と燃え尽き症候群になっていたことを告白しています。
※url
音楽の世界であれほど成功した人も、その後見る世界は常に素晴らしいものであるとは言い難いのでしょう。
夢は叶ったときがピークであり、その後は冷めてしまうという宿命にあります。
実はその宿命を教えてくれたのが、あの黒い星だったのです!
そう考えると黒い星は、悪いヤツともいえないのではないでしょうか。
黒い星の本性は?夢の本質を解くカギは、平家物語の冒頭にあり?
なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか?
その答えを仏教ではズバリ「諸行無常」と教えられています。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
平家物語の冒頭でも登場するこの言葉、既に知っている方もいるかもしれませんが、これは仏教の言葉なのです。
「諸行無常」とは、全てのものは常が無く、永久に続くものはないということです。
私は最近初めて前頭ブリーチをし、人生初の金髪にしてみました。染めたては綺麗に染まっていたのですが、数日経つともう根元から黒い髪の毛が生えてきて、もう数日たてば見事にプリン頭になってしまい、諸行無常を感じました。
それだけでなく、もっと規模を大きくして考えると、この地球だって寿命は30〜50億年と言われていますし、もっと大きい銀河系の中心の太陽にだって、いつしか終わりがきます。
このように「諸行無常」は物に対して使われていますが、それだけではありません。目に見えない人の心も諸行無常なのです。
「心が諸行無常ってどういうこと?」と思われるかもしれません。
みなさんは、心変わりをしたこと、ありませんか?
私も最近定食屋にて、はじめは絶対にハヤシライスを頼もうと思っていたのに、友達の「トンテキ定食にしよ」の一言で心が揺らぎ、なかなか決められないということがありました。
ファッションだって流行り廃りがあるように、モノや人の好き嫌いも、ずっと続くものではありません。変わってゆくものです。
永遠の愛を誓い合った夫婦でさえも離婚してしまうなど、あらゆる例からも同じことが言えます。
これは夢も同じなんです。
先程私の夢はちいかわグッズを手に入れることという、ささやかな夢でしたが、もっと大きな夢を持っていた人でも、同じように心の諸行無常が起こっていたようです。
皆さんも同じような経験はありますでしょうか。
ここで黒い星の回をもう一度考えてみた時に、夢が叶ってもなんかヤな気持ちにしてしまう黒い星は、黒い星自体に問題があったのではなく、私たちのこころの諸行無常が原因だったのではないでしょうか。
夢というものは、叶う前はひたすら追いかけ、それ自体がとても魅力的なように思います。
しかし一度かなってしまうと、その魅力はどんどん薄れてきてしまうのです。
このような夢の本質を黒い星は暗に伝えてくれていたとも捉えられるように思います。
黒い星はちいかわを貶めたいという気持ちでやっていたと言うより、単に願いを叶えたいという気持ちで、良かれと思って願いをかなえていたと考えられます。
やめてほしいと言っていたにも関わらずループを止めなかったのは、ダイエット中に「遠慮せずもっと食べなさい。女の子はちょっとふっくら肥えてるくらいがかわいいねん」とやたらお菓子をすすめてくるおばあちゃん的おせっかいとも言えないでしょうか。黒い星からすると、「願っていたことなのになんで嫌がるの?遠慮せず楽しみなよ?」という良かれと思ってことだったのかもしれません。
こんなふうに考えると、黒い星が前よりちょっぴり可愛らしく思えますね。
Cute…