「うらむ」「ねたむ」「そねむ」3つの意味の違いはドコにある?

よく耳にする「ねたむ」「うらむ」「そねむ」という言葉。どれもイヤーな感情ですが、果たして正しく意味を理解できている人はいるでしょうか?

無意識に使っていますが、言われてみると難しいですよね。きちんと使い分けられている人はとても少なそうです。

分かりそうで分からない「ねたむ」「うらむ」「そねむ」というのは、実は仏教で「愚痴」と呼ばれる煩悩を指す言葉。一体どういうことなのか、詳しく紹介していきます!

うらむ・ねたむ・そねむは辞書でも意味がごちゃまぜ

Jealousy
Jealousy / Ktoine


まず辞書で意味を調べてみました。

恨む(うらむ)の意味

  1. 人から不利益を受けた,としてその人に対する不満や不快感を心に抱き続ける。 「招待されなかったのを-・んでいた」
  2. (「憾む」とも書く)思い通り,あるいは理想通りにならないことを残念に思う。 「自らの不勉強を-・む」
  3. 不満や嘆きを人に訴える。うらみ言を言う。 「松島は笑ふが如く,象潟は-・むがごとし/奥の細道」
  4. 復讐(ふくしゆう)する。うらみを晴らす。 「一太刀-・む」

恨む・怨む・憾む(うらむ)とは – コトバンク

妬む(ねたむ)の意味

[動マ五(四)]

  1. 他人が自分よりすぐれている状態をうらやましく思って憎む。ねたましく思う。そねむ。「同僚の昇進を―・む」
  2. 男女間のことで嫉妬(しっと)する。やきもちをやく。
  3. 腹を立てる。恨み嘆く。
[用法]ねたむ・そねむ――「先に昇進した同期生をねたむ(そねむ)」など、うらやみ憎む意では相通じて用いられる。

◇「順調な出世をそねみ、ねたまれる」のように重ねて使われることもある。また、「そねむ」の方が「ねたむ」に比べて、憎みうらむ気持ちが強い。

妬む(ネタム)とは – コトバンク

嫉む(そねむ)の意味

[動マ五(四)]他人の幸せや長所をうらやみねたむ。嫉妬(しっと)する。「人の才能を―・む」

嫉む(ソネム)とは – コトバンク

それぞれの語句については分かるのですが、その違いとなると分かりづらいですね。

まず大きく「恨む」と「妬む」「嫉む」の2つに大別されます。それぞれの詳しい意味を解説していきます。

人から嫌なことをされたら「恨む」

火を見つめる女の子

相手から嫌なことをされると怒りの感情が湧きます。子どもならその怒りを露わにできますが、大人はそうはいきません。露骨に顔にも見せれません。

しかしその怒りの感情はなくならず、心の底にとどまり続けます。「あの野郎、恥かかせやがって」「こんなことしてただじゃおかないわよ」と心に沈殿する嫌な心を「恨む」というのです。

人から嫌なことをされ、その嫌なことをしてきた人に対して心の中で抱く感情を恨むといいます。人から嫌なことをされたから恨むのです。

「恨む」は「妬む・嫉む」とはまるで意味が違う

「恨む」のは人に対する嫌な思いでしたが、特にその人から嫌なことはされていない、むしろ仲がいいし尊敬している…そういう人に対しても黒い感情が起きてきます。

例えば、成功している同世代を見て「うらやましいなあ」「なんであんなにうまくいってるんだろう」と思う感情を嫉妬といいますが、嫉妬ははまさに「妬み(ねたみ)」と「嫉み(そねみ)」の感情です。

別に人から何かされたわけではなく、むしろ相手はいいことをしている。それでもこんな感情が起きるのです。

これで「恨む」と「嫉妬」の違いはわかったと思います。それでは嫉妬の「妬む」「嫉む」は何が違うのでしょうか。

悪意を誰に向けるかで変わる「嫉み」と「妬み」の意味

花

「妬む」「嫉む」の違いが特に難しくて、上述の辞書のように一緒にされるケースが多いです。

先ほども例を出したように、「嫉妬」と一緒くたにされてますから無理もないですよね。この辺の違いが分かってたら日本語学者というか心理学者というか何にしろ凄いです。

ちなみに英語でも嫉みに直接あてはまる訳は聞きません。Jealousyとして訳され、嫉妬で一緒にされますからね。

さてこの「妬む」「嫉む」ですが、自分より優れている他人をうらやましいと思う心という点では変わりありません。問題はその後の心です。うらやましいなで終わればいいのですが、この後必ず悪意が生まれます。その悪意の方向によって妬みか嫉みかが決まるのです。

それぞれ分けて、具体的な例を見ていきましょう。

「妬む」は相手に悪意が向いている

妬みは、うらやましいという気持ちから、相手に悪意が向く感情です。

営業成績が優秀で表彰されている会社の同僚を見て、「なんでアイツだけ!」「アイツは人前ではお利口にしてるが、裏ではとんでもないことをしてるに違いない」「失敗させてやろうか」などと思う恐ろしい感情です。相手を蹴落とそうとする心です。

「恨む」は悪意が自分に向く感情

対して嫉みは、うらやましいと思った後に生まれる悪意が自分に向く感情です。

先ほどの例でいえば会社の同僚を見て「あいつはすごい、対して自分はなんてダメなんだろう」「全然がんばれていなかったのか」「自分は無価値な人間なんだ」となる感情です。

これは反省ではなく、卑屈になっている心です。いわゆるコンプレックスや自己肯定感の低下などは嫉みといえます。

「愚痴」の心と向き合うためには?

似たような感情ですが、全く違う心ということが理解いただけたかと思います。

実はこの「うらみ」「ねたみ」「そねみ」の感情は「愚痴」という煩悩なんだよと、仏教では2,600年も昔に詳しく説かれていたのです。

現代の心理学で説かれているような人間の心理が、はるか昔にこんなにも詳しく教えられていたとは驚きですよね。

便利な世の中にはなりましたが、これら愚痴の心に私たちは変わらず悩まされてます。

まずはこれらの心の違いを知っていただくことが大事です。そして嫌な感情を持った時はこの記事を思い出し、「これは恨み嫉み妬みのどの心かなあ」と考えることで冷静になってみることをおすすめします。

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    ゆげ

    渋谷のネット企業で働くマーケター。ゲームとマンガ三昧の堕落生活の反動で、哲学が好きに。柴犬をこよなく愛する犬アレルギー持ち。アカデミー理事長。
    coconalaで仏教カウンセリングしています