「20代からの仏教アカデミー」主催イベントレポートの2回目です。
プロの漫画家であるたまきちひろさんをご招待し、たまきさんの婚活実体験を描いた漫画「婚活の達人」を通して
マンガ「婚活の達人」著者が語る!
幸せになるカギは“自分を知る”にあり?
というテーマでセッションイベントを開催。
婚活市場真っ盛りの昨今。
ただ、なかなか理想的な相手が見つからずに婚活することに疲れ、最近では「婚活疲れ」という言葉が使われています。
「婚活疲労症候群」とも言われるそうで、婚活で精神的に疲弊し、ウツ状態にまで陥ることもあるそうですね。あまりの苦しさに「婚活地獄」とまで言われているのが実態です。
どうして、婚活疲れで苦しんでしまうのか?
その最大の原因が 、イベントでたまきさんの体験談をお聞きしたことでわかりました。
今回はたまきさんの婚活の核心部分へ迫り、婚活疲れの最大原因と、婚活疲れ解消方法を学びます。
世間的に結婚相手に申し分ない人現れる!でも…
前回のレポートでは、
- たまきさんのプロフィール
- 昨今の婚活事情
- 汚部屋男N田との出会い
- 恋愛偏差値赤点だった たまきさんのモテ服への衝撃体験
を紹介しました。
モテ服で男性に声をかけられることは多くなったものの「自分と価値観の合わない男性にいくらモテても結婚できない」と知った たまきさん。
「モテより結婚目標」という原点に立ち返り、それには結婚に近そうな堅実なメンバーが不可欠と改めて思ったのです。
そこで、真面目なダンナを持つ友人のMちゃんに泣き付き、ダンナの同僚を紹介してもらえることになりました。
気を取り直して婚活再会!!
そこで たまきさんを待ち受けていたのは…
(父…!?)
たまきさん「あの― 失礼ですがおいくつで……」
右の男性「ボクは31で……」
左の男性「ボクは30です」
(ほぼトシかわらんやないか~~!!)
さすがにこれはキツイ
と脳裏をよぎった たまきさんでしたが、今回の目標はあくまで結婚。恋愛で考えればナイ相手だが、やすやすと候補者から外すわけにはいきません。
上記の右の男性は独り身にもかかわらず3LDKのマンションを購入。「いつ家族ができてもいいように」と車もワゴンに変えていたのです。
まさに、足りないのは嫁だけ状態!!
結婚に対する準備(3LDKのマンション、ワゴン)も十分
経済力もある(株も始めて、安定した副収入すらある)
性格にも問題なし(いい人そう)
以上を踏まえ、たまきさんが出した結論は…
これは結婚以前に……
MDM(マジ で ムリ)!!
世間的に見れば、常識からすれば、結婚相手に申し分ない条件。が、たまきさんはどうしても交際に踏み出せず、頭を抱えます。
一体、何が悪いのか?
(ワタシが悪いのか?
結婚できないのは相手のせいではなく、ワタクシがぜいたくを言っているからなのか?
いや、ワタシにも譲れないものがある!)
「生理的にムリなものはムリなんじゃー」(同僚の方、ごめんなさい)
いくら常識からいえば結婚にふさわしい相手であっても、生理的にムリな人とは結婚できない!という考えに至ったのです。
もちろん、自分のことを棚上げし、相手へ現実離れの高望みばかりしていては、モテ期に婚期を逃して実家に帰ってしまう「かぐや姫」のようになりかねません。
(それはそれで、幸せな生き方につながるかもしれませんが)
しかし、世間の圧力に屈して、生理的にムリな人と結婚しても、きっと長続きしないでしょう。
こうして、婚活には「脱常識 脱世間」も必要と たまきさんは知らされたのです。
難敵“行きたいね”草食系男子と結婚相手に求める条件
漫画家という仕事に就かれていたこともあり、恋愛市場から遠く離れていた たまきさん。
婚活のきっかけとなる担当の一言(イベントレポート①参照)を聞くまで、恋愛にも現実にも疎いまま、王子がやっくるまで気がつかない「眠り姫」状態でした。
「って、このまま寝てたらミイラになるわ!!」
と目覚められ、猛烈に婚活を始められましたが、やや婚活疲れが見え始めました。
そんなとき…
いきなり素敵な人が現れたのです!
彼はたまきさんの仕事場に遊びに来た際、手が汚れないお菓子を用意。
しかも、忙しくて たまきさんが放置していた組立式のパソコンデスクをテキパキと組み立ててくれたのです。
(生理的にも全然イケるっ つーかむしろ好みだし なによりいいダンナさんになりそうだし
婚期キタコレーーーー!!)
思わぬ理想的な、まさに王子のような人との出会いに色めきだつ たまきさん。
ところが、彼とのメールでのやり取りで…
最初のメールのやり取りはよかったのもの、何やらおかしい。
「~~したいですね」とは何度も言われるのですが、
「~~しませんか?」とは一向に言ってこないのです。
彼からのメール「週末どっか遊びに行きたいね^□^」
(行きたいって言っているのに わけわからん、なにこの現象)
これではまるで、
常に間合いを取って、自分から技をかけようとしない…
これは、いわゆる草食系男子です。
誘われれば誘いに乗るけれど、自分から誘うのは、相手に断られて傷付くのが恐いから、誘おうとしないのですね。
(彼は好みだし…… 気に入っているけど……でも
告るどころかデート誘うのも女まかせって、好きとか以前の問題でしょ)
自分から告白するには、
- 行動力
- 勇気
- 責任感
- 誠意
という要素が求められます。
さらに結婚するとなれば、これらの要素がより重要になってくるのです。
だから、生理的なムリな人もダメだけど、責任感に欠ける「自分から告れない男」とも結婚難しい!
かくしてたまきさんの結婚相手の条件に「告れる男」という項目が追加されたのです。
婚活中の男性の方は、責任感を持ち、誠意ある行動に心がけていかれるといいと思います。
自分を知らないということは人を傷つける
婚活を通して、自分が望む結婚相手とはどんな人か、より明確になってきた たまきさん。
「生理的にムリなものはムリ」
「責任感がなく、自分から勇気を出して行動しない人との結婚は難しい」
それと同時に、理想的な相手に出会えず、婚活の迷路に足をとられてしまっていたのです。まさに婚活地獄にハマってしまったのです。
そんな婚活末期に出会ったある男性。
- 身長187cm-背高い
- ホテルマン-定収入がある
- バイクがシュミ
- 「よかったら今度の日曜日、バイクでツーリングに行きませんか」と言われる-自分から誘える
- リーダーシップがある
たまきさんの求める条件を次々満たしていきます。
さらに…
自分からしっかりと告白!
結婚もしっかりと視野に入れた誠実な対応にたまきさんは感動。
(これはもしかして、婚活突破キタかーー!!)
ところが…
彼が30になってもお母さんが部屋を掃除していたり、基本的なシュミや好みの方向性が違ったりしていたことを知り、たまきさんはモヤモヤしたものを感じるようになります。
条件をこんなに満たしているのに、この気持ちはナニ? そして、悩み苦しむいたまきさんに、決定的な一打が…
(とあるデートの日)
たまきさん「今日 映画行くんだよね? 何観ようか?」
彼「俺 『世界の中心で●をさけぶ』観たい!!」
たまきさん「(セカチュー!? 映画といえばミニシアター系かホラーじゃないの!?)」(たまきさんはゾンビ映画が好きなのです)
「(だめ…… もう限界……)」
こうして、たまきさんは彼との交際を断念されたのです。
彼「俺の何が悪かったの……?」
当時のたまきさんには、結婚のための条件を多く満たしているはずの彼になぜ違和感を抱くのかわかりませんでした。結果、彼に明確な理由も言えず、傷つけてしまったのです。
自分を知らないということは人を傷つける、と経験を通してたまきさんは痛感させられたのです。
世間や誰かが作り上げたものではなく、自分にとってどうしても譲れないものは何なのか、大切なものは何なのか。それをハッキリさせないと、モヤモヤやしこりは消えず、相手も自分をも傷つけてしまうのですね。
では、たまきさんにとっての譲れないものは何だったのでしょうか?
今だから言えるそれは…
サブカル!
感性が多少合う男性でないと一緒にはなれない!というのがたまきさんの結論だっだのです。
婚活疲れの解消には「自分の価値感に従う」
このように、婚活を通してたまきさんが知らされてきたのは、自分の価値観をでした。
世間の常識からの脱却、自分が結婚相手にどうしても必要だと思う条件(勇気・行動力・責任感・誠意)、そしてサブカル!と、何が自分にとって大事なのかという価値観がわかってきたのですね。
まさに婚活とは自分探しの旅、婚活=自己を知る、ということだったのです。
自分の価値観を突き詰めていくと、もしかしたら結婚しないほうが幸せかも、という方もいるかもしれません。そんな方は、世間の常識に囚われてムリに結婚されても、相手も自分も傷つけてしまう可能性が高そうです。
自分の価値観をムリに捻じ曲げる必要はない、と たまきさんの経験を通してわかりました。
では、当のたまきさんの婚活はどうなったのかというと、自分の価値観に従い、一人で生きていく覚悟をした結果…
蜘蛛の糸にすがりつこうとする血の池地獄がごとき婚活地獄から解放され、婚活疲れも吹き飛び、楽になったのです。
そんなたまきさんに、間もなく意中の男性が現れ、見事、結婚されることになったのです。
その男性とはどんな出会いから始まったのか。
結婚してどうなられたのか。
気になる方は「婚活の達人」をぜひご覧ください。
次回のレポートでは、たまきさんが婚活を通して知らされたの「自分を知る」ことがいかに大切さか、仏教の観点でお話しします。
※漫画のコマの引用は、ご本人の許可をいただいています