ネットワークビジネスにハマってしまう20代の人があまりにも多いので、こういう記事を書きたくなりました。ぜひ知ってる人も知らない人もお読みいただければと思います。
どこにでもいるネットワークビジネス関係者
過去やりとりのあった人から突然Facebookで連絡が入ってくる。懐かしい顔がそこにはある。大学時代の同じクラスメートだったJである。
「久しぶりー。4年ぶりだね。最近どう?」「おお、おひさ。うん、ぼちぼちだよ」「そっかそっか、久しぶりに飲みしない?」
懐かしい顔に久しぶりに会いたくなって、快諾した。そして昔と変わらぬ顔に安堵しながら、昔話に花を咲かせる。とてもいい時間である。
続けて会うことになったが、次はいい先輩を紹介するという。特に気にせず会ってみたらセミナーを紹介される。さすがの自分も不信に思い、調べてみた。やはり・・・
昔の旧友が声をかけてくれるととても嬉しいものです。しかし、その勧誘がネットワークビジネスの勧誘だったらどうでしょう。
朝活で知り合った感じのいい人、積極的に話しかけてくれて意気投合した同僚。そういう人がネットワークビジネスをやっていたと知ったらどうでしょうか。
とてもいい気分ではありません。
そういうことを経験することが多くあります。それだけネットワークビジネスがはびこっているという現れです。
ネットワークビジネスの問題について、考えていきたいと思います。
ネットワークビジネスとは
ネットワークビジネスとは、人脈のネットワークを活用し展開するビジネスです。別名連鎖販売取引では以下のように定義されています。
- 物品の販売(または役務の提供等)の事業であって
- 再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
- 特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し
- 特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの
代表的なネットワークビジネス会社として以下の企業があります。
- 日本アムウェイ
- ニューウェイズジャパン
- ニュースキンジャパン
- ネイチャーケア・ジャパン
- フォーデイズ
- シナジー・ワールドワイド
- グリーンプラネット
などなど、他にもたくさんあります。
聞いたことがある企業もあるかもしれません。
企業名を出さず、製品名を出すことで印象を変えることもあるので注意が必要です。
さてこれらのネットワークビジネスはその手法自体が法的に問題があるかというと、それは違います。法律上は問題ありません。問題あったら本格的に取り締まられ、企業として存続できません。そこが参加を止める難しさでもあります。正統なビジネスを主張しているわけです。
しかし、法律上問題がないからといって、良しとできるかといったらそれは違います。絶対損する仕組みになっているので不幸にしかなりません。法律以上のレベルで人生とお金と信頼の損失にしかならないことを知っていただければと思います。
そう、ネットワークビジネスはあまりにも見合わないのです。
ネットワークビジネスの見合わなさ
ネットワークビジネスは、最初の方で紹介した人が絶対的に得をし、後になればなるほど儲けにくい仕組みになっていて、全体が幸せになれないシステムの破綻がよく語られます。楽して儲けられる方法は残念ながらないのです。ネットワークビジネスの勧誘ではまず悪い面が語られませんが、そんな大変なことがない楽な儲け方などあるわけがありません。しかし勧誘する以上、言えないわけですから、実質ウソをつくことになります。
しかしそういった経済的な話より、人間性を疑われることに危機感を覚えていただきたいものです。
ネットワークビジネスはその名の通り人脈を使うビジネスです。自分の交友関係や家族などの人のつながりをフルに使って、商品を紹介します。
友人や家族に本来的にお金を目的とするものはありません。無償の愛とはいいませんが、儲かるから付き合うといったものではないでしょう。しかし、そこに「(自分が)らくして儲ける」「(相手も)楽して儲けさせる」という幻想をもってくるのです。お人好しの人はそれを喜ぶかもしれませんが、普通の人は裏切りとしか感じません。友人ではなく、1人の搾取対象として見られたことは相手に深い傷を追わせます。その後、ネットワークビジネスを辞めたとしてもその修復には時間がかかることでしょう。
人の信頼を逆手にとったビジネス。これを悪質といわず何と言いましょうか。
そして何より許してはならないのは、自立心があり将来のある若い人をたぶらかすネットワークビジネスの大本の人たちです。自身の儲けの下に一体どれだけの犠牲があるのか。ぜひに知ってもらいたいと思います。
お金は手段でしかない。本質を見失わないこと
これらネットワークビジネスにどうして惑うのか。それはお金欲しさというのが一番の動機でしょう。勧誘の手法としても「好きなことをするにはお金がないと始まらない」「自由な生活をするためにはまとまったお金が必要」といった文句を並べます。誰もが惹かれるワードですね。特に20代はそこまでお金に自由ではありませんから、特に聞き入ってしまうと思います。
ある種正しいことですが、根本的にズレていることがあります。それはお金が人生最大の価値になっていることです。
お金を目的に、友人との関係も壊し、家族も犠牲にできるわけです。もちろん時に友人と喧嘩をしてでもやらねばならないことがあります。家族を一時放ってでも成さねばならないこともあるでしょう。しかしそれが自分のお金儲けということでは非常に浅い人生となります。仮にそれでお金を儲けられたとしても、その間失った人間性を取り戻すことはできません。
お金は大事ですが、手段でしかありません。生きる理由をお金に置いているから、ネットワークビジネスにはまってしまうのです。結果、お金に追われる人生となってしまいます。
やりたいことがある、夢がある、それは大いに結構なことですが、それで人生を棒に振っては意味がありません。一度冷静になっていただきたいものです。
人生をより広くは俯瞰的に見つめ、後悔のない人生を送るために、仏教を学び、人生観を深めていっていただければと思います。