TED conferenceをご存じでしょうか。
価値あるアイデアを世に広めることを目的とするアメリカの非営利組織「TED」。そのTEDが主催する講演会の名称をTED conferenceと言います。
TEDconferenceでは学術、芸術テクノロジー、心理学、医学などありとあらゆる分野の人々がプレゼンを行います。
このプレゼンはネットで無料視聴することができ、大人のための教育番組として世界中から親しまれ、これまでに億回も視聴されているのです。
そして今回の記事では成功に関してのアナリスト リチャード・ジョンのプレゼン「成功とは終わりのない旅である」を仏教の内容を織り交ぜて紹介します。
「成功は一方通行のもの」と考える誤り
プレゼンの冒頭、彼は次のようなテーマを投げかけています。
なぜこれほど多くの人々が成功を勝ち取った後に失敗するのでしょうか?
大きな成功であれ小さな成功であれ、一度成功したら多くの人が次の成功を望むのではないでしょうか。
しかし同様に、多くの人がその望みを叶えられずにいるようです。
彼はその理由を次のように述べています。
主な理由は成功を一方通行のものだと考えてしまうところにあります。
私たちは一旦成功すると、やり遂げたと思ってしまいます。
そして成功した心地よさに身を任せ自らを成功に導いた全ての行いを止めてしまいます。
彼は一度仕事で大きな成功しました。
そして再度成功を目指しましたが、成功を収めたときのような働き方をしなくなったのです。
「やり遂げた。もう楽ができる」という思いから一生懸命働かなくなり、「私はもう十分良い仕事をしている。これ以上良くするところはない」と思いからより良い仕事を求めなくなりました。
さらに「自分はやり手だからアイデアを出すために努力しなくてもよいはずだ。アイデアは魔法のように湧き出るものだ」という思いからアイデアを出す努力までやめてしまい、成功によって手に入れたお金に気を奪われ、顧客と話さず株式仲買人や不動産屋とやり取りするようになってしまったのですね。
一度成功を収めた人ならば、一つなりともリチャードの気持ちに共感出来るのではないでしょうか。一度成功したために次も上手くいくだろうと勘違いをしてしまいがちです。
成功を続ける秘訣「成功は終わりのない旅と考えよ」
では成功をした後に失敗せず再び成功するにはどうすれば良いのでしょう。
リチャードに聞いてみましょう。
彼は結論を次のように述べます。
私は、成功とは一方通行ではないのだと学びました。
こんな感じというよりは、
こちらに似ているのです。
成功は、終わりのない旅です。
成功した後も成功し続けるには、成功への歩みを一方通行だと考えず、「終わりない旅」と考えることが大切だということです。
「終わりのない旅」の盲点
成功を終わりない旅と考えることは、リチャードのプレゼンから非常に大切なことであると分かります。
しかしこの終わりない旅には、私たちを苦しめる側面もあるのではないでしょうか。
この側面を仏教では「流転輪廻」と言われます。(省力して輪廻とか流転ともいわれます。)
仏語。衆生が無明の迷いのため生死を繰り返して、その境界から離れられないこと。
流転輪廻の意味とは生まれることと死ぬことを繰り返すことですが、これだけではありません。人生の中で、同じこと、同じ毎日を繰り返して苦しむことも流転輪廻と言われるのです。
成功を終わりない旅と考えることは大切です。
しかし努力し成功すればするほど気付いてきます。
「目標を達成してはまた振り出しに戻り、新たな目標に向かって努力し、目標を達成してはまたまた振り出しに戻り…」と、どこまでいっても心からの達成感は得られません。
そして終わりない旅をふと苦しく思う人もいるのではないでしょうか。
「終わりのない旅」のゴール
しかし仏教では同時に、この終わりない旅、流転輪廻にはゴールがあるのだと教えられています。
そしてそのゴールのことを仏教では「出離」という言葉で表されます。
仏語。迷いを離れて解脱の境地に達すること。
仏教では終わりない旅の中で「やりきった!」と思えるゴールがあると教えられているのです。
このゴールについては深い内容なのでここでは書き切れませんが、このサイトを通して今後も学びを深めていければと思います。
この記事をきっかけに、終わりない旅のゴールとは何か、興味を持って頂ければ幸いです。