ツイッターで話題の“真田昌幸被害者の会”とは?春日信達暗殺事件に学ぶ「自業自得」の本当の意味

サイト管理人
今年1月のスタートのNHK大河ドラマ「真田丸」。今回取り上げるのはツイッターで「被害者の会」が立ち上がり、話題になっている真田昌幸。昌幸が首謀となった春日信達暗殺事件から学べる「自業自得」の本当の意味とは?

こんにちは、YURAです。引き続き楽しみにしているNHK大河ドラマ「真田丸」。

前回は、ばば様の“かっこよさ”とキリの“ウザさ”についての記事を紹介しました。

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「真田丸」といえば今、ツイッターで「真田昌幸被害者の会」が話題になっています。

真田昌幸被害者の会に二名様追加。増え過ぎてスペースが足りなくなってきた #真田丸

真田昌幸の陰謀に巻き込まれた人が入会するという被害者の会。真田昌幸とは、どんな人物なのか。また彼に騙された被害者から私たちが学ぶべきことは何なのか、お話しします。

※今回の記事に関する動画です

謀将・真田昌幸の恐ろしい策略

真田昌幸は、あの徳川家康を恐れさせるほど、戦国時代きっての知将・謀将として知られています。大河ドラマ「真田丸」でも、その謀将っぷりは、息子信繁(後の幸村)をも悩ませるほどのものでした。

時は戦国。裏切り裏切られ、撃ち撃たれ、明日どうなるかわからぬ世です。

元は武田家の家臣だった真田家と春日家。本能寺の変の後、真田昌幸は北条家、春日信達は上杉家の家臣となっていました。

しかしこの頃の春日家は、武田家の家臣であったかつての力をなくしており、そこに目を付けた昌幸は、弟信尹(のぶただ)と息子信繁に、春日信達を北条家に寝返らせるよう命じます。

なかなか首を縦に振らない信達を、信尹と信繁はあの手この手で、信達の心を動かし、ついに信達に上杉を裏切らせ、北条につく決意をさせたのです。

ところが、「春日信達に海津城を与える」と書かれた北条氏直の起請文が届くと、信尹は信達を暗殺してしまいます。そして上杉には、信達が北条と内通したと報告し、攻め込んできた北条への見せしめとして春日信達を磔にします。

一方、それを見た北条側は策略がばれたと兵を撤退させ、昌幸は戦わずして自分の領地から北条を排除することに成功したのです

厳しい「自業自得」の意味

この一連の事件は真田昌幸と信尹の策略でした。春日信達を暗殺し、真田の領地から一切の軍を排除するという目的を知らなかった信繁は、生き残るためには何をしてもいいという、父と叔父の考えに疑問を感じます

悩む信繁に、出浦昌相(いでうらもりきよ・真田家を陰で支える者)は、「信達にも非があった。あやつは恩ある上杉を不服に思い、己の意志で裏切った。自業自得とは思わんか。お前は優しすぎる。もっと強くなれ…」とカツを入れます。

このセリフから「自業自得」とは、とても厳しい言葉だということがわかります。

自業自得とは元々仏教の言葉で、以下のような意味があります。

自分の行いの報いを自分が受けること。一般には悪い報いを受ける場合に用いる。もとは仏教の語で、自分のした善悪の行為で、みずから苦楽の結果を招き受けること。

自業自得の意味 – 四字熟語辞典 – goo辞書 自業自得の意味 - 四字熟語辞典 - goo辞書

上記のように、自分に起きた結果は、自分の行為によって決まるという意味です。そしてこれはすべて例外がない、と教えられています。

経緯がどうであれ、春日信達に起こった死という結果は、上杉を裏切り、真田を信じた信達自身の行為が引き起こしたものだということです。

上杉に恩を感じていた信達が、真田家にそそのかされて悲惨な末路を迎えたため、ネットでは「かわいそう」という声が絶えません。

はじめに紹介した「真田昌幸被害者の会」がツイッターで話題になり、真田昌幸に利用された人たちが被害者の会の入会者として挙げられています。「いい人ほど騙されていく」「ああー、また一人、入会者が増えたか」と、徐々に会員数を増やしています。

自分を向上させるための「自業自得」

このように聞くと、自業自得ってなんて無慈悲な…。結局この世は、正直者がバカを見るのか、と落胆せずにおれません。

確かに自業自得という言葉はとても厳しく、目をそらしたくなる言葉ですね。しかし悪い結果だけではなく、いい結果が返ってきたときも自業自得なのです

また、もし悪い結果が起きたとしても、命さえあれば(信達は残念ながら命を失いましたが)、悪い結果を招いた原因は何だったのかを見つめて反省し、次に活かすことができるということです。つまり、過去は変えられないけれど、自分の未来は自分で選択できるということです。

お釈迦さまは「因果経」という経典で

過去の因を知らんと欲すれば、其の現在の果を見よ

未来の果を知らんと欲すれば、其の現在の因を見よ

と説かれています。仮に今、苦しんでいるとすれば、それは過去の因(行い)が生み出したのです。過去の行いを変えることはできませんが、過去の行いを反省し、これからの行いを改めることはできます。行いを改めれば、未来の果(結果)を善い結果へと変えることができるのです

現在の因(行い)が未来の果(結果)を生み出すのであり、現在の行いを変えることで、未来の果も変えられる、と教えられているのです。

もちろん、信達が上杉を裏切ったことを理由に、真田が信達を暗殺したことを正当化するのは筋違いです。いくら自分を正当化しても、自業自得の真理を曲げることはできません。信達を暗殺したことによる悪い報いは、真田に必ず返ってくるのです

厳粛な自業自得の真理を明らかに見て、悪い報いを招いた行いを反省し、自分の向上の糧としていきたいですね。

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