こんにちは、YURAです。
4月29日に始まった金曜ナイトドラマ「不機嫌な果実」(テレビ朝日系)は、1990年代に大ヒットとなった林真理子さんの小説を、約20年ぶりにドラマ化したものです。
ネットでは“ドロドロ不倫劇”とか“損得勘定な恋愛”などと、話題になっています。
今回はこの「不機嫌な果実」から、私たちが日々苦しんでいることは何なのか、本当の幸せとは何なのか、について学んでみたいと思います。
「不機嫌な果実」あらすじ
まず、あらすじを紹介したいと思います。
栗山千明演じる主人公・麻也子(まやこ)は、大学卒業後、名の知れた企業に就職。26歳で大手金属メーカーに勤務する夫・航一(稲垣吾郎)との結婚を機に退職しました。
人生順調のように見えた麻也子ですが、夫は潔癖症でマザコン。子供はおらず、暇を持て余し、事務員として働くようになります。
ところが、会社には若い女子社員が入社し、自分はお局さん扱い。以前の会社で働いている同期たちは、第一線で活躍しているのに、自分の仕事は単純でつまらない。結婚5年目にも関わらず、夫は自分になんの関心も示さなくなり、日々、不満と寂しさが募っていきます。
そんな麻也子は、月に一回、夫ではない男性と食事に行き、憂さ晴らしをしていました。しかし、その男性も若い女性との婚約が決まり、寂しさに追い打ちがかかります。
そんな時、独身時代に不倫関係にあった野村(成宮寛貴)を思い出します。野村には家庭があることは承知で会い、再び不倫に身を投じていきます。
満たされないのは、既婚も独身も同じ
このドラマは3人の女性と3人の男性を中心に、何角関係にも及ぶ不倫ドラマです。
どんなに素敵な人と結婚しても、どんなにお金持ちになっても、ずっと追いかけてきた夢が叶ったとしても、時間の経過とともに心が渇いていき、満たされない思いが女たちを惑わせます。
世間では、結婚は幸せの象徴という位置づけですし、女性にとっての憧れでしょう。綺麗なウエディングドレスにうっとりする女性も多いはずです。
しかし「不機嫌な果実」では、既婚女性の苦悩が描かれています。また一方で、その1時間前には、TBSドラマ「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」で、独身女性の苦悩を描いたドラマも放送されています。
「結婚=幸せ」という世間の風潮によって独身女性が苦しめられているのも事実で、中国で放送されたSK-IIのCMから受けた衝撃は記憶に新しいでしょう。
独身の人は親や親戚、世間からのストレスやプレッシャーを過度に受け、既婚者を羨ましく思い、
幸せになろうと結婚した人は子供や姑問題、自由な時間がほしいなどと、また別のことで苦しみ、独身を羨ましく思う、という話もよく聞きます。
結婚していても、独身であっても、ともに苦しみを抱えていることには変わりがはないのです。
有っても無くても、苦悩は変わらない
この人生の実態を、仏教を説かれたお釈迦さまは
有無同じく然り。
憂き思(おもい)適(まさ)に等し。(経典)
と教えられています。
結婚はパートナーがいる「有る状態」、独身はパートナーのいない「無い状態」であるといえます。
一般には「無い状態」より「有る状態」のほうが幸せだと思われています。だから独身の人は婚活までして結婚しようとしますし、お金や肩書きのない人はそれらを得ようと必死に努力をします。
ところが「有る状態」の人も憂き思い(苦しみや悩み)は「無い状態」の人と同じである、教えられている通り、「有る状態」の人は有るものの管理や維持のためにまた苦しんでしまうのです。
苦悩がなくならない原因は別にある
私たちは「ものが有れば有るだけ、いいんじゃないの?」と思いがちですが、そうではないんですね。
有っても無くても、結婚しても結婚しなくても、苦しみの種類が変わるだけで、苦しみはなくなりません。
仏教では、ものの有る無しによって幸せかどうかが決まるのではなく、幸せかどうかを感じる自分の心にこそ、苦悩がなくならない原因があると教えられています。
高熱にうなされている状態では、どんなに高級な食事を並べられても「おいしい」とは感じられないように(そもそも食べられませんね)、
ものや環境にいくら恵まれても、心の闇によって私たちは苦しんでいるのです。
心にある苦悩の根本的な原因を明らかに教え、それを取り除くのが仏教です(四聖諦として説かれています)。
ぜひ深く仏教を学ばれ、仏教が明かした苦悩の元について知っていただければと思います。