「万物は流転する」の意味とは?「諸行無常」と何が違うの?

万物は流転する」「万物流転(パンタ・レイ)」という言葉は紀元前に活躍したギリシアの哲人ヘラクレイトスが遺したとされるものです。

一言で言えば、すべてのものは変化していくという意味ですが実際に考えてみるとスゴイことを言っているのが分かります。

今回はその意味について詳しく考えるとともに、同じような意味で使われる仏教の「諸行無常」とは何が違うのかについて詳しくお伝えしたいと思います。

万物流転とは誰の言葉?

「万物は流転する」という言葉を残したのは、どんな人だったのでしょうか。

この言葉を残したのはヘラクレイトスという哲学者です。彼は紀元前6世紀ごろにギリシアのイオニア地方で活躍した人物でした。

哲学の父と呼ばれるタレスと同じように、現在では「自然哲学者」という区分で呼ばれる哲学者の1人です。

後世にも大きな影響を与え、ニーチェやショーペンハウアーなどの名だたる哲学者からも尊敬される偉大な哲人でした。

ギリシア哲学の歴史を知る

「万物は流転する」という意味のすごさを知るためには当時のギリシアでどんな思想が流行っていたのかを知る必要があります。

当時、流行っていたのは「この世に存在するものはそもそも何なのか」を考えることでした。最初の哲学者と言われるタレスは「万物の根源は水である」と言ってからこの問題について考えることが人気になっていたのです。

でも、当時は今のように科学技術が発達していたわけではないので、色んな人が色々な仮説を唱えていました。ある人は「万物は無限定な何か」と言うし、またある人は「空気が固まったもの」という説を唱えていました。

こんな「なんでもあり」の状態に待ったをかけたのがヘラクレイトスであり、彼が唱えた「万物流転」という言葉なのです。

「万物は流転する」の意味とは

ヘラクレイトスは存在の問題に対して「この世の中に永遠に変わらないものなんてないんだ」ということを言ったのです。

例えば、あなたの目の前に石があるとします。

石は固くてちょっとやそっとでは壊れないものですが、年月とともに削れていきやがては土になります。では、土はそのままの姿でいるかと言うと、土を栄養として植物が茂っていくでしょう。そしてその植物はやがては枯れて土になったり、動物に食べられて吸収されてしまいます。

このように考えると、物質と言うのは石→土→植物→…というように無限に変化を繰り返し、1つの状態で永遠にとどまるということはありません。ヘラクレイトスは物質が繰り返す無限の変化を「万物は流転する」という風に表現したのです。

これは現代社会に生きる私たちから見ても非常に納得がいく考えですよね。ヘラクレイトスが偉大だったのは「すべての物質に当てはまる普遍的な法則」を見つけたことだったのです。

仏教の諸行無常とは何が違うの?

自然

ヘラクレイトスがすごいことはわかりましたが、ここまで考えて1つの疑問が浮かんできました。

それは「万物は流転する」という言葉は仏教の「諸行無常」とはどう違うのかということです。「諸行無常」もすべてのものは続かないという意味で、「万物流転」という言葉と全く同じ意味に思えますし、実際にそのように解説されることもあります。

でも、私はここにある決定的な違いがあることに思い至りました。
それは、「私達の心に目が向いているかどうか」ということです。

ヘラクレイトスが語った「万物は流転する」という言葉は、どちらかというと自然界の物質や存在に目が向いています。もちろん私たち人間の肉体もそこには含まれますが、「私たちの心」についてはそれほど注目されていません

対して仏教の「諸行無常」とはもちろん物質が続かないという意味もあるのですが、私たちの心が続かないという意味も含んでいるのです。

私たちはいつも自分の心をコントロールしていると思っていますが、実は心はコロコロ変わり通し。「今日の夕食はどうしようかな」「学校の課題やらないと」「さっきのあの娘可愛かったな」と1分1秒としないうちに心はドンドンと変化していきます。

また、人を好きになってもその気持ちが長続きしないこともありますし、嫌いだと思って腹を立ててみても少し経てばケロッとしています。やはり私たちの心も無常なのです。このように仏教の無常観は私たちの心に対しても深い洞察を向けているものなのです。

まとめ

ヘラクレイトスが唱えた「万物は流転する」という考えは、すべてのものが続かないという意味であり、あらゆるものに当てはまる法則性を発見したという意味で哲学史上に残る偉大な業績を残していました。

「万物流転」と同じような文脈で語られる「諸行無常」という言葉ですがその違いは「私の心に目が向いているかどうか」という点にあると思います。私たちの目に見える物質だけではなく、目に見えない心も常がなくて続かないものなのです。

ヘラクレイトスもすごいですが、このように考えてみると、いまから約2,600年前に説かれた仏教もものすごい内容だということが分かりますよね。

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    ushy

    自分をどこかの星の高次元生命体の生まれ変わりだと思っている精神異常者。趣味は「進撃の巨人」の奇行種の真似をしながら妹に襲い掛かること。 「狼と香辛料」の賢狼ホロのような女性と結婚するのが将来の夢。 好きな遊戯王カードは【死霊伯爵】で、フィッシュアンドチップスがあれば幸せにお酒を飲める能力を持つウルトラレアカード。