孤独で寂しい…外出自粛中でもできる、元航海士が語る「孤独感」の克服方法

こんにちは。

コロナショックにより人に会わなすぎてヒゲを伸ばし、そのままオンラインミーティングに突入して「人違いじゃないですよね?」と言われてしまったナッチョです。

楽しみだったゴールデンウィークもSTAY HOMEが推奨され、まさにヒゲキ的に暇な毎日に孤独感を覚える方も少なくないと思います。

しかも1人の時間が増えれば増えるほど、孤独感も積もるばかり。

私も元々、孤独感が人一倍強かったので気持ちは十分に分かります。

さて、今日は時おり激しく襲ってくる「孤独感」を軽減にする方法について、私ナッチョの経験を踏まえた上で、今から出来るアクションをご紹介したいと思います。

海ではどこにも行けない…孤独な毎日を過ごす

私は船員養成学校を卒業後、当時18歳で海運会社に就職しました。

人生の初乗船は全長約150mのコンテナ船で、東日本の海岸から数十km沖を航行し、1日半を掛けて東京と北海道をピストン輸送します。

船は昼夜問わず、航行するので様々な風景を見てきました。

雲ひとつない快晴で、水平線がキレイに見渡せる日もあれば、大時化で船がひっくりかえる恐怖に襲われる日もあります。

基本的に1人でデッキ(船の甲板)に出れば聞こえてくるのは波音と船のエンジン音。

非日常感があるのですが、毎日続くと正直寂しいです。

仕事面では、船内で対面するのは乗組員だけ。

先輩に叱られても、家に帰って気分転換できる訳でもない、大切な人に会える訳でもない、そもそも電波が通じない。

与えられているのは、休息を取るわずか最低限の個室です。

船上では、鳥カゴに閉じ込められたような閉鎖的で孤独な毎日を約4ヶ月間過ごすのです。

陸上では辛い職場や環境があったとしても、家に帰ることが出来たり、大切な人と語り合ったり、ストレスを発散させる手段はいくらでも取れると思います。

周囲で起こる冠婚葬祭も、自分の意思で参加か不参加を決める事も可能です。

私も船上での閉鎖的な状況から、SNSで地元の友人が楽しそうに飲んでいる姿や旅行している写真を見ると、正直スマホを壊しそうなぐらいの衝動を覚えましたし、Facebookのアカウントを一時期止めて無理矢理にでも嫉妬する気持ちを抑えていました。

あまりニュースに出てきませんが、精神的に病んでしまい、自殺を図る若手船員もごく少数いる事も事実です。

今も、新型コロナウィルスの影響で孤独を感じる時もありますが、船上生活と比べると正直大した事がないかなと思ってしまいます。

哲学する中で気が付いた孤独の本質

冒頭に書かせて頂いた通り、私も当時、孤独感が人一倍強かったので、「海に身を任せれば楽になるのでは?」と絶望を感じながらも、必死に対策を練っていました。

辛く長い船上生活の中、辿り着いたものは読書です。

今までの自分の思考パターンを大きく変えて、過去に全くしてこなかった読書をしました。

読書の中で最も感銘を受けた本はHONDA創業者、本田宗一郎著書「やりたいことをやれ」であり、今でも心に残っている一文は以下のものでした。

「1パーセントの成功のため、得意な分野でさえ99パーセントのつまづきを経験した。」

文中の「つまずき」とは当時のHONDAが開発している製品を指しています。

製品の完成までに失敗を繰り返し、多大な時間を掛けて決して華やかなではない、孤独の中でも成功の為に必死に打ち込んだ、当時の本田宗一郎さんが振り返るシーンです。

私は成功に対する必死さに胸を打たれ、「自分はなんて弱音を吐いたんだろう。孤独な道を進むのは自分だけでは無いんだ」と強く反省し、様々な本を読むようになったのです。

一定以上の読書量をこなした後、またしても大きな収穫がありました。

「人は学ぶ最中でさえも孤独」という事実です。

分解しますと、何かを勉強したりスキルを磨いたりすることは仲間と共に出来る事でもあります。

しかし、納得するかどうかは結局、自分1人の問題です。

自分が腑に落ちず行動が変わらなければ何も意味がありません。

読書を通じた自己研鑽から、孤独の本質を自分なりに理解して、陸上の人への羨ましさが不思議なほどに無くなったのです。

仏教でも教えられていた孤独の哲学

読書の体験後、学んだ仏教の中にも孤独について教えられていました。

仏教では、大無量寿経というお経の中に独生独死独去独来という教えがあります。

人は誰しも、この世に生まれるときも1人、この世を去るときも1人。

どんなに仲の良い友達や恋人、家族や親戚など、肉体的に連れ添う相手はいても、心から連れ添う相手はいないのだとお釈迦様は説かれています。

私たちは母のお腹の中で1人孤独に過ごし、この世に出てきました。

抱いた気持ちを心の底から理解できる人は、自分を除いて残念ながらいません。

死ぬ時もそうです。

人生最期の時、家族や親戚にベッドを囲まれて温かく看取られても、結局逝く時は1人です。

少し残酷ですが孤独とは普遍的なものなのです。

しかし孤独なのはあなただけではありません。

あなたの周りの人も孤独であり、今を生きる全ての者が孤独だと2600年以上も前から仏教では教えられているのです。

孤独とは「無くすのではなく、どう付き合うのか」が肝要です。

人に会えない今だからこそ寂しがるのではなく、孤独の本質について哲学をしていきましょう。

今後も海×仏教の記事を書いていきます。
興味のある方はぜひチェックしておいて下さい。


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ナッチョ
小さい頃から自然の中で育った哲学大好き1人海賊王。趣味は自宅に人を招き土産に手料理を持たせる事。最近はタッパーを配り過ぎて不足中。将来の目標は海のリブランディング。自然を通して学ぶ人口を本気で増やしたいと考える自然主義者。というか自然の一部になりたいと考えている。