先日行われたイベント、【仏教×ライフプラン】。
ショーンさんと肉まんさんが登壇し、新宿御苑の会場内は大いに盛り上がりました。以前開催されていた人工知能×仏教よりもさらにパワーアップしていた今回のイベント。
当日の会場の熱気などを思い出し、文字の力で出来る限りお伝えしていきたいと思います。
前半:ショーンパート
去年から今年にかけて、幸福論を見直す動きが活発化しています。宗教や哲学を自分の人生においてどう学び、活かすのか。ビジネスマンも注目の問題にショーンが切り込みました。
人間観を仏教でアップデートせよ
人間とは何なのか、100年前から便利になっているけれど幸せになっているか。その答えは1人で考えていてもスッと見つかるものではないですよね。では、どうすればいいのでしょうか。
そんな時僕たちに深い哲理を示してくれるのが仏教という教えなんです。しかし、お経は7000巻以上もあり、とても仏教は難しいためみんな仏教から遠ざかってしまいます。
時間とは何か
まず私たちは時間について考える必要があります。
もしも、時間がない世界があったなら、とても自由でのんびりしていそうですよね。でも、時間がなければ友達との待ち合わせもできないし、自分が何歳かわからないなど不都合も生じます。
僕らは時間を使って他人と同じ尺度で測れるようになりました。そして同時に、時間というものは有限であることを自覚しだしたのです。
言ってみれば時間=命。私たちは時間を削って働いていますが、それはそのまま時間=命をお金に変換しているということです。
生きるというのは時間を売るということですから、私たちは何をしても使っている、時間=命の価値を知ることがとても大事になります。でも、どれくらい大事なのか中々わからないですよね。それを仏教では1つのたとえ話を通して教えられているのです。
盲亀浮木の譬(もうきふぼくのたとえ)
『雑阿含経(ぞうあごんきょう)』というお経にはこんなたとえ話が説かれています。
大海の底に一匹の目の見えない亀(盲亀)がいる。この盲亀は百年に一度、海の上に浮かび上がる。その海には、真ん中に穴のあいた一本の丸太が流れている。
さて、盲亀が百年に一度浮かび上がった際、その浮木の穴へ、ひょいと頭を突っ込むことがあるだろうか。
このようにお釈迦様は弟子に問いかけます。誰でも、そんなことはありえないと思いますよね。しかし、何億兆年よりも永い間には絶対にないとは、言い切れない。ところが人間に生まれるということは、盲亀がこの浮木に頭を入れることよりも難しい、有り難いことなのだよ、とおっしゃっています。
このように、人間に生まれるということがそれほどまでに難しいことであり、ゆえにこの命には計り知れないほどの大切な意味があるのだよ、とお釈迦さまは断言されているのです。
これほどに大切な私たちの命=時間ですが、どんなことの為に使っているでしょうか?そう聞かれると困ってしまいますよね。
大事な時間の使い方、そしてお金の使い方を見直すためにライフプランを真剣に考える必要があるのです。
後半:肉まんさんパート
お金を扱うことに関するプロと言える肉まんさん。なんと6歳から家計簿をつけはじめ、小学校4年生にして複利計算を始めたという変態の塊のような人でした…
今回は「お金の使い方」ということで登壇してくれ、熱く語ってくれました。
お金の使い方は2通りしかない
世の中にはお金を儲けるための「○○活用術」という千差万別もの手法が出回っていますよね。その一方で、人類共通の根にあたる部分があります。それがお金の使い方です。
そして実は、お金の使い方は「受動的」と「能動的」かの2通りしかないんです。
受動的なお金の使い方は例えば、コンビニのレジまで言って「肉まんおいしそう…」とつい買ってしまうようなもの。この使い方は後で振り返っても何にいくら使ったかを思い出すことはできないのです。
一方で、能動的なお金の使い方は例えば、計画を立てて時計を買うというようなとき。能動的な使い方はあとで何にいくら使ったかを思い出すことができます。
なぜこのような結果になるのかと言うと、能動的なお金の使いかたをするときは私たちの感情が動いているからです。ドキドキ・ワクワクといった感情の動きとセットだと記憶に残りますが、受動的に買った肉まんは忘れ去られてしまうのです。
お金を使う=生活習慣である
私たちの生活の中身には習慣:非習慣=45:55の割合で存在しています。習慣になっていることとは無意識でも行っていること。例えば朝起きて着替えをして、歯磨きをして…などなどで、自分でも気づかないですが、お金も無意識に使っています。
この習慣を見直して節約したいですよね。そのために家計簿を使うことで生活習慣の見える化を図ることができます。しかもつけ方は結構ザックリでOK。10円単位は繰り上げて100円単位で計算していっても年間の誤差は2.2%しかないんです。
家計簿つけてもお金はたまらないですが、生活習慣の見直しには効果的ですよ。
お金の使い方を変えるときの注意点
さて、生活習慣を見直すと「やべぇ…意外と無駄な出費があるな…」「今月ゲームに課金しすぎた…」と問題点が見つかり、それをなんとか改善したくなります。
ここで、多くの方が失敗しがち。そこで注意したいのが次の3点です。
- 禁止目標を立てない
- 誰かと比べない
- 長期間続けられる目標か
まず、人間は禁止されると2倍の欲が出てしまいます。「肉まんは絶対買わない!」と誓っている人は、結局肉まんを2個買うことになってしまうのです(経験談)。だから「買わない」のでなく「別のものにお金を使う」という行為に置き換えてみましょう。これで無理なく節約につなげることができます。
また、誰かと比べてしまうのも危険です。ついつい人と比べてしまいがちですが、他人ができていると焦り、無茶な禁止目標を立ててしまいがちです。あくまでも自分に合った目標を立てるようにしてくださいね。
最後に、自分の目標が1週間、1カ月、1年…と長期的に続けられるものかどうか確認してください。短期的には無茶な目標も立てられますが、長い目で見ればそれはマイナスになってしまいます。
私たちは無理に禁止するとどこかで爆発して2倍・3倍のお金を使ってしまうんですよね。苦しみながらお金貯めても本当にいいことはないです。
イベントの感想
ショーンも肉まんさんのお話も面白く、ふんふんと興味深く聞かせてもらいました!
当初は仏教×LPというつながりがわからなかったのですが、仏教で説かれているように私たちの命はとても尊いもの。そしてその命をお金に変換しながら人生を歩んでいます。そんなとき、必要以上に時間やお金を使うということはそのまま貴重な命を削っているということになってしまいます。
大切な命という時間を自分はどのように使っているのか、無駄なことに使ってはいないかと非常に考えさせられるのが今回のイベントでした。
第4回のライフプラン×仏教はコチラ
過去に行ったAI×仏教のイベントレポートはコチラから読むことができます。