ルフィから学ぶ 周りから好かれる秘訣

皆さんはONE PIECEという漫画をご存知でしょうか?

1997年に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始してから18年、今や国民的人気漫画の地位を確立している作品です。

現在単行本は78巻まで刊行されており、76巻までの累計発行部数は国内最高となる3億2千万部を超え、他にも出版における国内最高記録をいくつも持っているそうです。

今年の6月には「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録にも認定されたのは記憶に新しいところ。「読んだことはないけど、名前だけは知っている」という人も少なくないかもしれません。

それほどまで多くの人に読まれる理由は一体何か? 理由はいろいろあるでしょうが、今回はキャラクター人気投票を切り口に考えていきたいと思います。

人気投票から見る人気の秘密

漫画に限らず、アニメやゲームなどにおいてキャラクター人気投票は必ずと言っていいほど行われます。それが人気の高い作品であれば尚更です。

ONE PIECEも例に漏れず過去6回にわたり開催されているのですが、毎回順位の変動がある中で6回とも1位の栄冠に輝きつづけているのが主人公のルフィなのです。

主人公が1位を取るのは当たり前、と思われる方もいるかもしれませんが、他の漫画の結果を見ていると主人公が1位を取り続けるということは結構稀です。最近最終回を迎えて話題になった「NARUTO」も、主人公であるナルトは第1回目の人気投票で2位という結果でした。

国民的人気を誇るONE PIECEという作品においてここまで1位を取り続けているルフィは、人々から圧倒的な支持を受けているということなのです。逆に言えば、漫画の中で1番登場回数の多い主人公がこれだけ支持されているのだから、漫画自体が長く支持されるのも当然なのかもしれません。

では、なぜルフィはこれほどまでに人気を集めているのでしょうか?

ルフィは海賊でありながら「与える人」

ちょっと本題を外れますが、「七つの習慣」という本の中に良い人間関係を作るためには信頼関係が必要であり、信頼関係を作るためには一貫した誠実さが必要であると書かれています。また、信頼は貯金のように積み立てられていくものだとも言われています。

他人との関係においては、私が相手に何かをしてあげた時に信頼が積み立てられ、逆に私が相手に何かをしてもらった時にはその信頼は減ってしまうと考えることができます。

相手に何かをしてあげること、すなわち「与える」ということを仏教では「布施」と言われ、大変善い行いであると教えられています。

そこで、ルフィの言動について考えてみます。ルフィは海賊なのですが、海賊と言えば一般的には略奪や殺人は当たり前の「奪う」人たちというイメージがあります。ところが、漫画を読んでいると、ルフィは奪うどころか、与え続けているのです。

ルフィが周りへ与えているものは? ルフィから学ぶ「布施」

ルフィが与えているものはいろいろありますが、まず1つには笑顔ということが挙げられます。ルフィの顔を思い浮かべた時に出てくるのは笑顔です。

賞金首にもかかわらず、手配書の写真のルフィは満面の笑顔でピースサインをしています。仲間たちといるとき、友達と話をしているとき、ルフィが仏頂面でいることはありません。

仏教で笑顔を与えることを「和顔悦色施(わげんえっしょくせ)」と言います。笑顔は目元の筋肉をちょっと動かすだけで作れます。お金もかかりません。けれども、周りの人に多くのものを与えることができます。

コンビニなどですごく笑顔のいい店員さんが接客してくれたら、ちょっと落ち込んでいてもつられて笑顔になって元気をもらったり、赤ちゃんがニコニコ笑ってくれたらそれだけで幸せな気分になったり。笑顔は簡単に作れますが、それが相手を元気にする最強のツールになるのです。ルフィは笑顔を与えることで、周りの人に元気や安心、幸福感を与えている。だから周りに人が集まってくるのです。

そして、ルフィはまた「想い」も与えています。ルフィは常に誰かと戦っているのですが、戦う理由は必ず誰かを思い遣る気持ちからきています。ルフィの名言は多々ありますが、それらが心に響くのは、相手を想っての言葉だからでしょう。仲間たちへの信頼も、周りの人たちへの友情も、いつも最初はルフィから向いています。時には自分の身を削ることがあっても、相手が幸せになるようにといつも一生懸命です。

与えたならば、必ず返ってくる 信頼され、好かれる人になれる

私たちはどうでしょうか?

私自身もそうですが、ほとんどの人が「相手が何かしてくれたら、自分もお返しに何かしてあげよう」という考え方ではないでしょうか。自分から何かを与えて、相手がお礼の一つも返してくれなかったときに傷つくのが嫌だから、相手から与えてくれるのを待っている。自分が信頼をしても、相手が信頼を返してくれないことを恐れている。自分がリスクを負わないように、計算して行動してはいないでしょうか。

仏教では「善因善果」と言われ、与えたらどんな形であれ必ず自分自身にその結果が返ってくると教えられています。大事なのは自分の行いです。相手が返してくれるかどうかではなく、まず自分から与えることができるかどうかが重要なのです。

自分の信念のままに行動し、誰かのために傷つくことを恐れず迷いなく自分から与えることができるからこそ、ルフィは絶大な信頼や人気を得ているということがわかります。

まとめ

信頼するから信頼される。人から好かれたい、信頼されたいと思うならまずは自分が人を好きになり、信頼できるようになることが大事だと知らされます。普段は消極的で受身な人も、「与える」という点においてはきっと積極的でアクティブな自分に変われるはずです!

まずはルフィのような気持ちのいい笑顔から始めていきたいと思います☆