こんにちは。関西の医療施設で研修医をしている、カラフルボンバーです。
最近私の周りで”ガンカンジャー”というネットマンガ(連載中)が注目されています。
ガンカンジャー – レジンコミックス – プレミアムwebコミック&マンガサービス
最初は、なんかふざけた題名の漫画だなと思っていましたが衝撃的な内容に驚きました。
26歳の秋に腰が痛くて病院に言った主人公に突然の「ガン宣告」が下されます。その主人公がガンと向き合い、治療と戦っていく中で、いろいろな葛藤や悲しみ、そして人生について考える深い漫画でした。
ただ、画のタッチはとても軽くてあっさりしているギャップがなんとも言えないのですが…引き込まれる傑作だと思います。
実際に体験しないと分からないような内容も緻密に描かれてあり、主人公は作者自身ではないのかと、考えながら読んでいます。
病気は突然やってくる
タバコを吸っていて、肺がんになった
酒を飲み過ぎて、肝臓が悪いといわれた
自由奔放な食生活で糖尿病になった
予測される結果は、「今」自分には降りかからないと誰もが思っています。
たとえ、いつかはこんな病気になるだろうと心あたりがある人もいると思います。しかし、「明日」病気になるとは思っても、「今」病に侵されることはないだろうとタカをくくっているのがわたしたち人間です。
病に侵されたならば、平凡な毎日のまどろみが突然に崩され、まるで、綺麗に整えた部屋に泥だらけの土足であがってこられるかのような、そんな衝撃があります。
「未来」を生きる人に
「今」が幸せであればそれでよい、と思いっている人もいるでしょう。
ただ、ちょっと賢い人は「今」だけでなく、「未来」も幸せであればよいと考えています。一日、好きなだけお金を使ってもいい。でも次の日には無一文になる。一日、好きなものを好きなだけ食べられる。でも次の日は病気になって食事制限が始まる。そんな人生はイヤですよね。
今だけでなく未来の幸せをどうやって築き上げていくか、それがとても大切なことです。少なくとも、そう気づいただけでその人は得をしています。
恐ろしい生活習慣病は、それこそ、「今」の積み重ねが「未来」の不幸せを産んだ悲劇、ともいえるのですね。
ではどういうことを意識すれば「未来」の幸せを手に入れられるのでしょうか。
「やりたいこと」と「やるべきこと」
未来の幸せを手に入れるには、今の幸せのために「やりたいこと」だけをするのではなく、未来の幸せのために「やるべきこと」をする、ということです。
タバコを好きなだけ吸い、お酒を好きなだけ飲み、自由奔放に食事をとる。これは今の幸せのために「やりたいこと」ですね。しかし、こんなことを重ねていたら、生活習慣病やガンという、恐ろしい未来を生んでしまいます。未来の幸せのためにはタバコや酒を控える、健康にいい食事をとるなど、「やるべきこと」をしなければなりません。
当たり前のようで、全くわかっていないことをガンカンジャーという漫画を通して、改めて気づくことができました。
では、人生全体において「やるべきこと」とは何なのでしょうか。
仏教で説かれる「やるべきこと」
やりたいことは、人それぞれあると思います。おいしいものが食べたい。お金をいっぱい稼ぎたい。世界中を旅行したい。素敵なパートナーがほしい。有名になりたい…など、あげればキリがありません。
このように私たちのやりたいこととは、あれもしたい、これもほしいという欲を満たすことです。人間はその欲にとらわれて生きていると仏教で説かれ、欲にとらわれた人間が住む世界を欲界(よくかい)と教えられています。
欲界とは、仏教における世界観のなかで欲望(色欲・貪欲・財欲など)にとらわれた生物が住む世界。
欲は満たしても満たしても、満たし切ることはできず、次々に新たな欲が出てきます。欲を満たすだけの人生は、満たし切れない欲に苦しむことになってしまうのです。
仏教では、その欲界に住んでる人間に、欲を満たすこととは異なる使命(やるべきこと)がある、と教えられています。
仏教で説かれる人間の使命とは何なのか。このサイトで続けて学んでいただきたいと思います。