3月28日に多くの人に惜しまれながら最終回を迎えたものの、まだまだ熱狂的な支持を誇るアニメ、「おそ松さん」。
最終回の視聴率は3.0%、占拠率はなんと20%を超えました。
また3月11日(金)に配信が開始されたオンライン動画サービスHuluでは、あっという間に人気動画ランキング2位に食い込んできました。
「おそ松さん」急進!Hulu人気動画ランキング | テレビ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
そんな爆発的人気アニメ、「おそ松さん」から学べる人間の心について、今回もお伝えしていきます。
※シリーズ第1回はこちら↓(この記事だけでも読めます)
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2月に放送され、全国のチョロ松クラスタに衝撃を与えた
19話「チョロ松ライジング」
今回はこのエピソードから「意識高い系」男子の心について探っていきたいと思います。
「自意識ライジング」しちゃったチョロ松
ある日の真昼、いつものように部屋でゴロゴロし、ニート生活を満喫するおそ松とトド松。
そこへ段ボールを抱えた三男チョロ松がやってきます。
チョロ松はアイドルオタクで毎日アイドルの追っかけをしているのですが、段ボールにはそんな彼の大切な大切なアイドルグッズが大量に入っていました。
チョロ松「ちょっと真面目な話があるんだけど…
・・・僕さ、アイドルのファンやめる!
そろそろ本気出そうと思って。この生活から抜け出したいんだ。いつまでも無職じゃいられないし、
いい加減遊ぶのは止めて、目標は高く、一人暮らし!!」おそ松「でさぁ…」
チョロ松「ちょっと真面目な話があるんだけど…
僕さ、アイドルのファントド松「いや聞こえてるよォ!聞こえた上で無視してんの!」
チョロ松「無視?なんで?」
トド松「チョロ松兄さん、就活するんだ」
チョロ松「そう」
トド松「で、ゆくゆくは、一人暮らしと」
チョロ松「そうそう」
トド松「そっか…
じゃあ、勝手にやって!!!
いちいち周りに宣言しないで!!やって!勝手に!!『ワタシぃ、ダイエットのために夜6時以降は何も食べないでおこっかなあ★』
『オレ、タバコやめる!!』
『ワタシ、今までの自分リセットするために電話帳に入れてた友達、ぜんっぶ、切ろうと思って~★』何のアピール?!知らないよ!やって勝手に!!!」
チョロ松「いやそんな言い方無いだろ?こっちは真剣に考えてさ…」
トド松「ほんと?宣言した時点でもう満足してるんじゃないの?!」
チョロ松「ちなみに何から始めるかというと…
おそ松&トド松「「だから言わなくていいって!!!」」
チョロ松「いきなり就職っていっても無理があるから、まずは街に出てフリーハグから始めようかと」
おそ&トド「「ぐああああ!!!」」
おそ松「ふ、ふふふフリー…!」
トド松「フリー…!!」
おそ&トド「は、ハグ…!!」
チョロ松「後はね~海外に自分探しの旅へ出て、その後は語学留学で、その辺りで彼女的な人を作って…」
おそ&トド「「ぎゃああああああああ!!!」」
トド松「マジ何なんだよお前!!!どんだけ自分のこと上に置いてんの!?」
チョロ松「え?僕なにか間違ったこと言ってる?」
おそ&トド「「間違ったことしか言ってねえ!!!」」
チョロ松「ん~~確かに、ちょっと意識高い系のことばかり言っちゃったけど」
トド松「いや、意識高いじゃなくって『自意識ライジング』だから!」
おそ松「『自意識ライジング』だから!!」
チョロ松「何それ・・・」
おそ松「見てみい、チョロ松」
おそ松たちが指差したのは窓の外。空中に緑色の大きなボールのようなものが輝きながら浮いていました。
肥大化したチョロ松の「自意識」
チョロ松「ええっ!?なにあれ!?」
おそ松「だからお前の自意識。
高いね~~!ライジングしてるね~~!周りものすごく迷惑~!」チョロ松「プライドのカタマリってこと?」
おそ松「いや、プライドの亜種。」
トド松「それが自意識ライジング。
見てあのライジング!!位置高すぎィ!!あんなの悪でしかない!!」おそ松「あれはマジで治した方がいいよ・・・」
トド松「ああ、兄弟からの忠告」
なんと空中にはチョロ松の「自意識」が具現化、ぷかぷか浮いていました。
チョロ松の高過ぎる自意識は緑色の光を四方八方に放出。道行く人はその光に目がくらみ、とても困っています。
また他の六つ子たちも自意識が目に見えるようになり、プライドが微塵もないおそ松は小さなゴミのカタマリのような「自意識」を持っていました。
“あざトッティ”ことトド松は、キラキラ輝くミラーボールのような「自意識」を持っているのですが、ちゃんと手元に置いて自意識を管理していました。
また自己肯定感の低い一松は、傷のようなものがついた自分の「自意識」を公園で土の中に埋めていました。
顔はほとんど同じなのに、六つ子たちの自意識はそれぞれ全く違う特徴があったのです。
その中でチョロ松の「自意識」は本人のコントロールが及ばないほど、他の誰よりも高い位置にありました。その放つ光はあまりに強く、周囲にも悪影響を与えています。
つまりチョロ松は「意識高い系」が度を過ぎている状態で、「自意識」が肥大してしまい、周囲に迷惑をかけるレベルになっていたのです。
そんな「自意識ライジング」しているチョロ松に、おそ松たちは、お前このままじゃヤバいよ・・・と忠告したのでした。
ドラマにもなった「意識高い系」あなたの周りにもいませんか?
「ワタシぃ、ダイエットのために夜6時以降は何も食べないでおこっかなあ★」
「オレ、タバコやめる!!」
「ワタシ、今までの自分リセットするために電話帳に入れてた友達、ぜんっぶ、切ろうと思って~★」
トド松が発言の中で例に出している、この「意識高い系」発言。
他にもSNSを止めることをわざわざ公言するような人も見聞きしたことがあります。ビジネスや自己啓発系の勉強会に参加していることをやたらアピールする人もいるようです。
この「おそ松さん」19話でテーマとなっている「意識高い系」は、元々はネットスラングとして使われていた言葉でした。
しかし昨年NHKで「その男、意識高い系」というドラマが放送されたり、LINEで「意識高い系になれるスタンプ」というスタンプが発売されたりと、広く使われる言葉になりました。
そんな”意識高い系”、具体的にはどんな人のことをいうのでしょう。
「意識高い系」の8つの特徴
一般的に以下のような特徴のある人を「意識高い系」と呼ぶようです。
意識高い系の8つの特徴
- 必要ないときまでビジネス用語や外来語を使いたがる(スキーム、アジェンダ、バッファ等)
- 何かしらの問題を提起することをアピールし、積極的に問題を提起しない人間を下に見て、啓蒙しようとする。
- 努力の過度なアピール。努力のアピールが目的にすり替わることもある。
- 自分の実績も過度にアピールし、例えプロジェクトに少し関わっただけでも大げさに紹介する。
- 自己啓発にのめりこむ事が多く、スティーブ・ジョブスの伝記やビジネス書をありがたがる。
- 仕事してる感を演出したがり、前述のようにスタバや蔦屋書店などでMacbookやタブレットを使って仕事をしている。
- 無駄にグローバル志向で、無闇に国際的な視野を持ちたがる。
- 人脈づくりに熱心。SNSのフォロワー数を自慢し、時にはそれを戦闘能力のように扱う。
先ほどのチョロ松の発言も、今までずっとニートでアイドルの追っかけをしていたのに、急にアイドルオタクを止めると周囲にわざわざ宣言しています。
また「フリーハグ」「自分探しの旅」「語学留学」など、言葉尻だけ聞くとカッコいいチャレンジを宣言していました。
しかし残念ながら、チョロ松はこれまでニート生活。両親はチョロ松自身を含め無職で成人の六つ子を扶養している状態なのに、どうやって旅や留学の費用を捻出するのか不明です・・・
このように自分をよく見せようとするものの行動が伴っていない状態の人のことを、揶揄の意味で「意識高い系」と言われています。
あなたの周りにもこういう人、いませんか?
「意識高い系」を生み出している根源は?
前回まで数回、この「おそ松さんから学ぶ仏教」シリーズでは「欲」の本質についてお伝えしてきましたが、この「意識高い系」も欲の心の一つ、「名誉欲」が生んでいます。
名誉欲とは人から認められたい、よく見られたいという心のことです。
チョロ松のような「意識高い系」の人たちは、極度に他人の目を気にして他人からよく見られようと過剰なアピールをするあまり、自意識がライジングしてしまっているのです。
この名誉欲にふり回されずに、「意識高い系」と揶揄されるのではなく、実際ホントに「意識の高い人」になるにはどうすればよいのでしょう?
後編に続きます。