はじめまして。仏教アカデミーのみつどんと言います。
私は読書が好きで、アマゾンのビジネス・経済のベストセラーランキングを毎日チェックしています。
その中で、5月2日現在、昨年の7月に発売して以来、253日間連続で100位以内にランキングしているものすごい仏教の本があります!これはビジネス・経済コーナーにあって、とても特異なことです。
その本は、草薙龍瞬著『反応しない練習 -あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」-』です。
漢字ばかりで、深い心の世界をあらわしている仏教の内容を、わかりやすく説明することはとても難しいことです。
しかし、わかりやすく解説できれば、多くの人が共感し感動するのだということがわかります。
そんな仏教の本がベストセラーになることは、私達の仏教アカデミーとしても大変嬉しいニュースです!
それでは、草薙龍瞬氏の解説する、お釈迦様の「反応しない練習」とはどんなことか。
私達の生活にどんな関係があるのか、紹介したいと思います。
最近大ブームのアドラー心理学にも通ずるところがあるので、合わせて理解すると、とても勉強になりますよ!
[blogcard url=”https://20buddhism.net/adler-causality/”]
苦しみは自分が「反応する」ことから起こる
テーマは、タイトルのとおり悩みの解決方法です。
まず、毎日生活をしていて、悩みや不満がどんな時に起こるのかについてこのように解説します。
すべての「苦しみ」は、自分が「反応する」ことから始まっています。
それを理解することが、悩みを解決する第一歩です。
例えば、
嫌いな同僚の出世に妬ましい心がおこる。
思わぬ電車の遅延と満員電車にうんざりする。
電車の中で泣いている赤ちゃんにイライラする。
このような何か予期せぬ事態が起きた時、それに反応してしまう心がどんな人にもあり、
それによって、人間には避けがたい悩みが生じるのだそうです。
つまり、悩みが起こる大元の原因は、遅れた電車や泣いている赤ちゃん自体にあるのではなく、
反応してしまう心にあるというところが大事であり、勉強になります。
すなわち、無駄な悩みを生み出さないために、どうしたらよいかというと、、
日々心がけなければならないことは、一つです。
「ムダな反応をしない」ことです。
とのことです。
原因は「自分の心」にある
そして、何かに反応してしまうのは、欲の心、求める心があるからなのだと続きます。
まず、大切なのは、心とは、そもそもそういうものだと理解しておくこと
求め続ける、それゆえに渇き続けるもの。そう理解すると、不思議な心境の変化が訪れることがあります。
つまり、「このままではいけない」「何かが足りない」という得体のしれない欠落感や焦り、心の渇きが収まって、「人生とはそういうもの」と、もっと大きな肯定が可能になるのです。
例えば、認めて欲しいという承認欲で、外の世界に反応すると、「周りは期待に応えてくれない人間ばかり」だから、不満や物足りなさを感じてしまうそうです。
この本の面白いところは、
その欲の心を押さえなさいというのではなく、
「この不満は、承認欲の不満なのだ」と理解すれば、反応がおさまると教えているところです。
「ある」ものは「ある」と、まず理解することが、一番正しい心がけなのです。
「心の渇きの正体」がわかるだけで、その不満状態から抜けてしまうのです。
承認欲という「反応の原因」がわかれば、ずいぶんラクになります。
「でも、あの人に認められたところで、それが一体なんなのだ?」
と超クールに考えられるようにもなります。
(ほんとに、それが一体なんなのだというのでしょう)
悩みの原因が、他人や外の世界にあるのではなく、自分の心にあると理解すれば、冷静になって、世界をありのままに見られるようになるのでしょう。
超クールな仏教の考え方
この「仏教は超クール」という言葉が何度か出てきますが、私はこの表現がとても好きになりました。
また、超クールな仏教の考え方のひとつに
自分と他人の間にきっちり線を引く
ということが紹介されています。
相手の批判や期待があって、それに反応するかどうかは、自分が決めること。
逆に、自分の期待や助言に相手がどう反応するかは、相手に委ねる。
相手が自分の言う事を聞かず従ってくれなかったとしても、それに私は反応しない。
この仏教の考え方ほど大事な考え方はありません。
と紹介しています。
この内容は、アドラー心理学の「課題の分離」ということと密接に関係があるようにも思います。
2600年も前の仏教に、こういう知恵が紹介されているのは、純粋におもしろいな!と感じます。
ちなみに、私はアマゾンで、評価が星4.5以上でレビューが100件以上ついた本は全て読むようにしています。
反応しない練習は、現在星4.6でレビュー107件です。さて、どこまで記録を伸ばすことやら楽しみです。
とってもわかりやすくて、ためになる、お勧めの本ですよ!
ただし、この本「反応しない練習」で紹介している考え方は、仏教の初歩の初歩です。
7000巻もある仏教のお経の中には、もっと深くて興味のひかれる内容がたくさん紹介されています。
中には、反応する欲の心はどうしてもなくならないものだとして、
「欲の心は十分にあるままで、それを喜びのもとに変えてしまう」というものすごい内容もあります。
煩悩即菩提という内容ですが、やがてはここでも紹介されるかもしれません。ぜひ続けて仏教アカデミーをチェックしていってください。