信頼残高とお釈迦様の教える善い行いとは?:7つの習慣と仏教

こんにちは、ライターのねりうめです。

今回は、7つの習慣の第四の習慣を取り上げる前に、心がけておきたい行い「信頼残高」について説明してみます。

仕事でもそうですが、他者と協力して物事に取り組めば、発揮されるパワーも1+1=2ではなく、2が10にも100にもなります。その時大事なのが他者との信頼関係です。仏教でも相手との信頼を築ける善い行いが説かれていますが、どのようなことでしょうか。

なお、7つの習慣シリーズの記事は以下になります。

  1. 7つの習慣と仏教:身につけておくべき主体的と因果の法則の考え方
  2. 7つの習慣と仏教:人生の終わりを思い描くことと、仏教が教える無常観
  3. 優先順位と、仏教が教える備えの大切さ:7つの習慣と仏教

自立と相互依存

さて、第一の習慣から第三の習慣までで、自分で決めた目標に対して、自分で物事に優先順位を決めて行動する習慣が身につきました。ここまで来ると、7つの習慣では「自立」という状態になると書かれています。
自立は、仏教で言えば「自因自果」。逆に他者に依存している状態では、「他因自果」といいます。

自因自果は、自分の種まきで結果は決まるということです。
他因自果は、結果を自分以外の他者が原因だとみなすことです。
悪い結果は他者のせいにする態度ですね。

7つの習慣を身に付ければ、自分の人生を自分の足で進めるようになります。

まず、第一の習慣で、他者ではなく、自分の主体的な選択によって行動を決定するようになります。また、行動した結果を他者のせいではなく、自分の選択の結果として受け入れるようになります。

第二の習慣で、自分の人生の目的地を思い描くようになります。

第三の習慣で、他者の意見に流されず、自分の優先順位に従って、優先すべき第二領域(緊急ではないが人生を豊かにするために重要なこと)を行えるようになります。

以上の習慣によって、自立という状態へとたどり着くことができます。そこから先は、他者と協力してさらなる成果を生み出せるようになります。この状態は、「相互依存」と言われます。では、相互依存になるために必要なことはなんでしょうか?

信頼残高を築こう

相手と協力してよりよい成果を上げるためには、なにより相手から信頼されることが肝要です。

7つの習慣では相手からの信頼の大きさを信頼残高と表現しています。

信頼残高はお金ではなく、信頼を出し入れしている銀行口座のようなもの。相手に良いことをするとだんだん信頼残高が増えていきます。
相手に挨拶したり、約束を守ったり、相手の話を理解したりすることです。
反対に、相手に悪いことをしてしまったら、信頼残高から信頼が引き落とされます。
例えば、約束を破ってしまったら、それだけ信頼されなくなるということですね。
ひどくなると信頼残高は0になってしまい、それ以降は信頼の借金です。倦怠期の離婚間近の夫婦関係なんかはお互いに借金をためているようなもんですね。

また、小さなことを大切にすることも大事です。

例えば、髪型変えたら気づくとか、メッセージが来たらすぐに返信するとか、
小さなことでもコツコツ信頼を増やしていけば、やがて信頼残高の大金持ち!になれるでしょう。

お釈迦様の教える善い行い:六度万行

さて、良いことをするって子供の頃から学校でも教わっているので、ある意味当たり前です。
でも、日頃忙しいと自分のことで精一杯になって、なかなかできなかったりしますね。

お釈迦様は、そんな私たちにもできるような、善い行いを教えられています。
仏教では善い行いが数え切れないほど説かれているのですが、たくさんありすぎると、どれを優先的にやればいいのかわからず困ってしまいます。

そこでお釈迦様が、たくさんの善い行いを6つにまとめられました。それを「六度万行(ろくどまんぎょう)」といいます。

六度万行は以下の6つです。

  1. 布施(ふせ)…親切を行う
  2. 持戒(じかい)…言行を一致させ、約束を守る
  3. 忍辱(にんにく)…忍耐をもち、怒りを抑える
  4. 精進(しょうじん)…努力に励む
  5. 禅定(ぜんじょう)…反省する
  6. 智慧(ちえ)…因果の道理を理解し、実践する

まずこのうちの一つでもいいので、今日から実践することをおすすめします。

例えば、「禅定」を行うのであれば、今日あったことを日記にかいて、次に活かすでも、いいですね。

しかもお釈迦様は、このうちの一つをやるだけで、六つ全部やったことになるともおっしゃっています。これは即実践しかないですね。

また、「布施」とありますが、布施には大きく分けて2種類があります

まず、財施。これは、自分の持っているお金やものを与えること。
でも、そういったお金などがなくても、相手にできる善があるといいます。
それが「無財の七施」です。

無財の七施

無財の七施は、次の7つの善い行いのことを言います。

  1. 眼施(げんせ)…優しいまなざしで相手を見つめる
  2. 和顔悦色施(わげんえっしょくせ)…優しい微笑みをたたえた笑顔で人に接する
  3. 言辞施(ごんじせ)…心からのやさしい言葉を相手にかける
  4. 身施(しんせ)…自分の肉体を使って相手や社会のために奉仕する。
  5. 心施(しんせ)…心から感謝の言葉を述べる。
  6. 牀座施(しょうざせ)…席を譲る
  7. 房舎施(ぼうしゃせ)…食事をごちそうし、宿を貸す

どれも、布施の心さえあれば、今すぐにでも実践できる行いです。

少しでもいいので善い行いをし、信頼残高を築いて行きましょう!